20代社員のエンゲージメントが最も低く年代があがるほど、エンゲージメントが高い結果に
「エンゲージメント」とは、社員が仕事にのめり込んだり、やりがいを感じている状態。社員のエンゲージメントが高いと企業業績や社員の定着にプラスの効果があることは多くの研究で明らかになっており、人材マネジメントにおける重要な概念として、近年注目を集めている。また、2023 年度より、上場企業などを中心に人的資本情報の開示が義務化さ
れるが、エンゲージメントは、開示が望ましい19項目のひとつに挙げられている。
エンゲージメント・サーベイは、社員のエンゲージメント状態を測定するツールで、組織の現状把握や課題抽出のた
めに実施する企業が増えている。2022 年に企業で実施されたエンゲージメント・サーベイの結果について、全体およ
び年代別のエンゲージメント状態を確認したところ、20 代社員のエンゲージメントが最も低く(3.27)、年代が上がるほどエンゲージメントが高いことがわかった。
1.0 「あてはまらない」状態、もっとも注意を要する状態
3.0 「どちらでもない」状態
5.0 「あてはまる」状態、もっとも良好な状態 を表す
全体 20~29 歳 30~39 歳 40~49 歳 50 歳以上
エンゲージメント状態 3.41 3.27 3.32 3.43 3.53
20代・30代は、仕事に「興味・関心」と「意義」は感じているが 「楽しみ」を感じられていない
エンゲージメント状態は 3 つの要素で構成されており、(1)仕事に対して「楽しみ」を感じ、(2)「興味・関心」をもち、(3)自分の仕事の「意義」を感じているほど、エンゲージメントが高いといえる。この 3 つについて、年代別に確認したところ、以下の表の通りとなった。特に 20 代、30 代の「楽しみ」の得点の低さが目を引く。20 代、30 代の若手社員は、仕事に対して、「興味・関心」と「意義」は感じられているが、「楽しみ」を感じられていないことが明らかになった。(分析対象)
調査期間:2021年12月~2022年11月
調査票:エンゲージメント・サーベイ「Qraft」
対象者数:68,659名