コロナ禍2年目、高ストレス者の割合は、すべての年代で「増加」。 20代を除き「減少」していたコロナ禍1年目とは、異なる結果に。
2015年12月より「ストレスチェック制度」が施行され、労働者が50人以上いる事業所では、毎年1回、ストレスチェックをすべての社員に対して実施することが義務づけられている。ストレスチェック制度では、ストレスチェックを実施後、自覚症状が高い者や、自覚症状が一定程度あり、ストレスの原因や周囲のサポートの状況が著しく悪い者を「高ストレス者」として選定し、「高ストレス者」と選定された社員が申し出た場合、企業は、医師による面接指導を実施する必要がある。医師による面接指導の対象となる「高ストレス者」の割合を、コロナ禍1年目(2020年: 2019年12月~2020年11月実施分)と、コロナ禍2年目(2021年:2020年12月~2021年11月実施分)のストレスチェック結果で比較したところ、すべての年代で高ストレス者の割合が「増加」しており、特に若い世代ほど増加の度合いが高い(=悪化している)ことがわかった。これは、高ストレス者の「減少」がみられたコロナ禍1年目とは、まったく異なる結果となっている。
高ストレス者の割合;
《全体》
2020年 2021年 差
11.5% 13.0% +1.5pt
《年代別》
2020年 2021年 差
20代 11.6% 14.0% +2.4pt ↑ 増加
30代 13.2% 15.2% +2.0pt ↑ 増加
40代 11.9% 13.6% +1.7pt ↑ 増加
50代以上 10.3% 11.3% +1.0pt ↑ 増加
「在宅勤務者」は、「出社組」よりもストレス状態が悪く、“働きがい”の低下も懸念。
新型コロナウイルス感染拡大により、急速に広がったテレワーク。テレワークの影響を把握するため、「在宅勤務者(定義:原則、フルリモートで出社せず)」群と「出社組(定義:週1以上出社している)」群に分け、ストレスチェックの結果を比較したところ、ストレス状態(定義:ストレスチェックの「ストレス反応」尺度の値)は、「在宅勤務者」群が「出社組」より悪いことがわかった。また、詳細分析において「働きがい」(定義:ストレスチェックの「働きがい」尺度の値)も、「在宅勤務者」群の得点が「出社組」より悪いことが判明した。
詳細分析より抜粋;
出社組 在宅勤務者 平均値差 有意差
ストレスによっておこる
心身の反応 3.22 3.15 -0.06 **
働きがい 3.19 3.05 -0.14 ***
※有意差とは、2群の得点の間に、統計的に有意な差があること。*の数が多いほど明確な差があるといえる。
※有意水準に応じて「*(5%水準)」「**(1%水準)」「***(0.1%水準)」の3段階で表している。
分析対象;
調査時期 2020年…2019年12月~2020年11月
2021年…2020年12月~2021年11月
調査票 ストレスチェック『Co-Labo』
(『職業性ストレス簡易調査票』+独自設問が追加された調査票)
対象者数 567,004名
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