学生の9割は、面接官の印象が志望度に影響
印象が悪かった面接官についてのコメントも一部紹介しましょう。これまで見てきた「傾聴力」が全く感じられない対応を指摘するコメントが多く寄せられているほか、オンライン面接での面接官側の通信環境の悪さ、マニュアルにのっとった機械的な質問、さらには近年導入企業が増えている動画面接・AI面接に言及するコメントもあります。ぜひ反面教師として参考にしていただければと思います。なお、前出の面接官の好感度ランキングに名を連ねた会社も、以下に紹介するコメントに含まれています。好感度ランキング上位の会社だからといって、すべての面接官が高評価を得ているわけでは決してなく、一部の面接官は学生の志望度を下げるほどの低評価を受けていることを付け加えておきます。
・学生の面接にもかかわらず、面接官がしゃべる時間のほうが長かった(理系・早慶クラス)
・グループ面接だったが、面接の中で既に扱いに差があるように感じられた(理系・上位国公立大)
・面接中ずっとひじをついていた(文系・旧帝大クラス)
・面接官の人が暗く、盛り上がりに欠けた(文系・早慶クラス)
・笑顔が一切なく、話しづらかった(理系・上位国公立大)
・相づちが適当で興味ないように感じた(文系・上位私立大)
・初めから自分に興味がないことが分かった。相づちも打ってくれなかった(文系・旧帝大クラス)
・とても偉そうで、見下した態度だった(理系・旧帝大クラス)
・全く私の話を聞く姿勢を感じられず、逆質問への返答もいい加減なものであった(理系・上位国公立大)
・現場社員の方で面接慣れしていなかったのか、質問の意図が分からないものばかりだった(文系・旧帝大クラス)
・面接官が現場で働く社員だったこともあってか、質問がかなり機械的だった(文系・上位私立大)
・リアクションがなく、マニュアルどおりの質問に徹していた(理系・旧帝大クラス)
・面接の受け答えの中で、聞き流されている印象を受けた(理系・上位国公立大)
・先方の通信環境の影響で映像が悪く、一人で話す感覚に陥った。面接官の顔さえ分からずに面接を受けたため、気分が悪かった(文系・早慶クラス)
・面接官のほうの通信環境が良くなくて、全然声が聞き取れなくなり、対応も冷淡であった(文系・上位私立大)
・エントリーシートの内容を把握していない印象だった。就職の面接として質問の回答を用意しているが、最後まで言いたいことが伝えられず不完全燃焼だった(理系・上位私立大)
・圧迫感が強く、言いたいことに対して反論的な意見を述べる方が多かった(理系・その他国公立大)
・「懇談会」という名前だったにもかかわらず、面接だった(文系・早慶クラス)
・録画ビデオ面接だったので機械的だった(理系・その他私立大)
・AI面接だった(文系・旧帝大クラス)
最後に、面接官の印象が学生の志望度にどの程度影響するのかを聞いた結果を紹介したいと思います[図表3]。文系では、「非常に影響した」が55%と過半数を占め、「影響した」の37%を合計すると9割を超えます。理系は文系ほどではないものの、「非常に影響した」が40%、「影響した」が45%で、合計85%が何らかの影響があったと回答しています。