日本では、このところ新型コロナウイルスの新規感染者数について、全国的に減少傾向が続いており、弊社でも受講生の人数の比較的少ない研修の一部については、これまでのオンライン型から対面型へ切り替えて運営を始めています。昨年3月以降、弊社主催のセミナー・研修はすべてオンライン型に切り替えましたので、対面型での開催は実に1年7カ月ぶりとなります。受講生(今回は部長・課長クラスが対象)の方々にとっても、対面型での研修やセミナーへの参加は久しぶりであったことは同様なようで、会場のあちこちで名刺交換や情報交換が熱心に繰り広げられていました。
昨年から急激に新卒採用において選考面接のオンライン化が進みましたが、2022年卒の選考においては、大手企業でも最終面接だけは対面型に切り替えた企業が少なくありませんでした。きっと、昭和世代の方の要望だったのではないでしょうか。
三木谷社長自らがライブ登壇する楽天
さて、前回から、アンケートによる統計データではなく、2022年卒学生の本音の声を中心に紹介しています。今回は、HR総研が「楽天みん就」と共同で本年3月と6月に実施した「2022年卒学生の就職活動動向調査」の結果を基に、個別企業の「セミナー・会社説明会」と「面接官」について、学生の印象の良かった企業とその理由、そして逆に印象が良くなかった理由について取り上げます。印象が良くなかった例についても調査では企業名を挙げてもらっていますが、ここでは企業名は伏せさせていただき、共通する観点を紹介します。なお、今回の調査は1人1社しか投票できない形で実施しており、「最も印象の良かった」企業として回答していることに等しく、1票の持つ意味は重いといえます。
まずは、個別企業の「セミナー・会社説明会」を取り上げます。好感度の高かった企業の上位20位までをランキング形式でまとめた表が[図表1]です。
・3時間に及ぶ説明会を行ってくださったり、三木谷さんが実際にお話ししてくださったり、印象が良かったです(文系・早慶クラス)
・社長や創立メンバーの話をライブで聞けた(文系・中堅私立大)
・多くのイベントを開催され、さまざまな方向から企業研究ができた(文系・早慶クラス)
・事業が多岐にわたっているにもかかわらず、コンパクトに内容を知ることができた(文系・旧帝大クラス)
・社内の雰囲気、経営理念やそれに基づく事業への取り組み方が、他社と比べて分かりやすかったと感じた(文系・旧帝大クラス)
中には、こんな長文を寄せてくれた学生も。
・内容が濃いにもかかわらず、飽きない内容であり、終始目が離せないまま聞いていました。一つひとつのテーマに休み時間を設けていたため、それが集中きていた理由なのではないかと感じた。また、司会進行をしている方や質問に答える方たちもフランクで、とても気さくな方たちというイメージを感じ、いい印象を持てた(文系・上位私立大)