ProFuture代表の寺澤です。
2025年2月13日、株式会社リンクアンドモチベーションは、2026年入社以降の新卒者を対象に独立行政法人日本学生支援機構(以下、機構)の「奨学金返還支援制度」を導入すると発表しました。同社が導入する本制度では、従業員に手当を支給するのではなく、機構に直接毎月5万円ずつ返済する形を取ります。これは、機構が2021年4月1日から導入した「企業等から機構へ直接送金することを可能とする」仕組み(代理返還)を利用したものになります。

それまでは、企業が従業員に代わって奨学金を返済することは許可されていませんでしたので、従業員の給与に手当の形で支援金を上乗せして支払う形が一般的でした。ただ、こうした支援金は給与の一部とみなされ、課税対象となるほか、社会保険料などの負担も増えてしまいます。一方、代理返還制度では、従業員にとっては非課税となるほか、社会保険料の算定の基になる標準報酬月額に含まれなくなりますので、社会保険料負担が増えることはありません。一方、企業側としても給与として損金算入され、「賃上げ促進税制」の対象となる給与等の支給額に該当することから、一定の要件を満たす場合には、法人税の税額控除の適用を受けることができます。

機構が2024年3月に発表した「令和4年度学生生活調査結果」によれば、大学学部(昼間部)での奨学金受給率は55.0%と半数を超え、何らかの奨学金を受給している学生は増加傾向にあるとのことです。年々、人材獲得競争が激化する中、こういった支援制度の導入は採用競争力を高める一手にもなり得ますし、リテンション施策としても有効だと思います。貴社でも検討してみてはいかがでしょうか。なお、代理返還額は、奨学金の全額か、一部かを選択することができます。
第168回 【26卒就活動向】ほとんどの学生が“対面型インターンシップ”を希望。「1週間程度」タイプは増加傾向に

文系の7割近く、理系の8割近くが大学3年の6月までに就活開始

今回は、HR総研が就活口コミサイト「就活会議」と共同で、2026年卒業予定の同サイト会員学生を対象に実施した「2026年新卒学生の就職活動動向調査(12月)」(調査期間:2024年11月25日~12月20日)の結果から、就活生の就職意識や早期の就職活動状況を紹介します。ぜひ参考にしてください。

まずは、2026年卒学生の就職活動の状況を確認します。「2024年12月時点での就職活動の進捗(しんちょく)」については、文系・理系ともに「就職活動を既に始めている」が最も多く、文系では86%、理系でも80%となっています[図表1]。これとは別に、既に「就職活動を終了した」学生が文系で8%、理系で13%もいることに驚きます。両者を合わせると、9割以上の学生が就職活動を開始していことが分かります。
[図表1]2024年12月時点での就職活動の進捗
では、いつから就職活動を開始しているのでしょうか。文系では「2024年6月」が最も多く38%、次いで「2024年5月以前」(30%)、「2024年8月」(11%)と続き、「2024年6月」までに開始した割合が68%と7割近くに、「2024年8月」までに開始した割合では85%に達します[図表2]。一方、理系では「2024年5月以前」が53%と半数を超え最も多く、次いで「2024年6月」(25%)、「2024年7月」(7%)と続きます。「2024年6月」までに開始した割合が78%と早くも8割近くに達し、「2024年8月」までに開始した割合では89%とほぼ9割を占めます。理系のほうが文系よりも早いペースで就職活動を開始していることが分かります。理系学生は学業や研究の繁忙度が高いため、早めに内定を獲得しておきたいという意識が文系よりも強く働くとともに、理系学生に対する採用ニーズの高まりから企業が採用活動を早期化させたことで、就職活動を前倒しせざるを得ない状況にあることが推測されます。

2025年になってから就職活動を開始する予定だとする学生はわずかで、文系で1%、理系では3%にとどまります。数年前までは多少なりとも機能していた「3月1日 採用広報開始(会社説明会開始)」という政府主導の就活ルールを真に受けて、「就職活動は3月から始めればいいんでしょ」などと悠長に考えている学生はもはやいないに等しいということなのでしょう。
[図表2]就職活動の開始時期

売り手市場でも半数以上が就活を不安視

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