パーソルキャリア株式会社は2025年2月3日、同社の調査期間『Job総研』が社会人を対象に実施した「2025年 理想の就活実態調査」の結果を発表した。調査期間は2025年1月3日~8日で、全国の20~50代の社会人男女632人から回答を得ている。調査結果から、社会人がもし今就活をする場合に、どのようなことを意識するかが明らかになった。
社会人に聞いた“理想の就活”とは? 「賃金」と「スキルアップ」で意見が分かれる結果…20代・Z世代はどう考えるか

“いま”優先したいのは「賃金アップ」か「スキルアップ」か

就職活動の早期化が加速するなか、26卒の就活情報解禁の時期が迫っている。就活生の企業選びにおいて、“給料”をとるか“やりがい”をとるかは意見が分かれるところだが、Job総研が実施した過去の調査によると、就活時においては“やりがい”を重視する人が多数派であるという。近年は賃上げや新卒初任給に注目が集まるが、社会人がもし今就活をする場合、何を意識して企業選びをするのだろうか。

はじめにJob総研は、回答者全員に対し、「2025年は“賃金アップ”と“スキルアップ”のどちらを優先したいか」と尋ねたところ、「賃金アップ」とした人が71.7%で、7割にのぼった(断然賃金アップ:24.8%、賃金アップ:20.6%、どちらかといえば賃金アップ:26.3%)。

さらに、「もう一度就活をするなら“賃金”と“スキルアップ”のどちらを優先するか」と尋ねると、「賃金」とした人が52.6%と、約半数になっている(断然賃金:16.8%、賃金:16.3%、どちらかといえば賃金:19.5%)。
2025年は“賃金アップ”と“スキルアップ”のどちらを優先したいか

“賃⾦優先派”は20代が最多。物価⾼との関係は?

次に、就活時に「賃金を優先する」とした人の割合を年代別で見ると、20代が60.6%で最多となり、以下は30代が51%、50代が50.5%、40代が37.7%となった。

また、同対象者に「スキルよりも賃金を優先する理由に物価高は関係するか」と尋ねると、「関係する」とする人が82.5%と8割を占めた(とても関係する:35.8%、関係する:28%、どちらかといえば関係する:18.7%)。
就活時に「賃金を優先する」とした人の割合

もう⼀度就活するなら「安定」か「挑戦」か

全回答者に対し、「もう一度就活する際に“安定”と“挑戦”のどちらを優先するか」と尋ねると、「安定」とした人が56.5%で過半数を占めた(断然安定:17.1%、安定:18.5%、どちらかといえば安定:20.9%)。なお、同回答割合を年代別に見ると、20代が61.7%で最多となり、以下は50代が57.4%、30代が55.8%、40代が44.6%となっている。
もう一度就活する際に“安定”と“挑戦”のどちらを優先するか

もう⼀度就活する際に優先したいのは「仕事」か「プライベート」か

続いて同社は、同じく全員に「もう一度就活する際に“仕事”と“プライベート”のどちらを優先するか」と聞くと、「プライベート」とした人が54%で半数を超えた(断然プライベート:21.4%、プライベート:13.3%、どちらかといえばプライベート:19.3%)。なお、こちらも同回答割合を年代別で見ると、20代が57.7%で最多となり、以下は50代が53.4%、30代が51.8%、40代が48.7%となっている。
もう一度就活する際に“仕事”と“プライベート”のどちらを優先するか

もう⼀度就活するなら今の会社を選ぶか?

最後に、全員に対し「もう一度就活をする場合、今勤めている会社を選ぶか」と尋ねると、「選ばない」とした人が55.2%と過半数になった(絶対に選ばない:19.9%、選ばない:16.8%、どちらかといえば選ばない:18.5%)。年代別では、40代が63%で最多となり、以下は50代が62.4%、30代が59.3%、20代が46.8%となった。
もう一度就活をする場合、今勤めている会社を選ぶか
本調査では、全体の7割が2025年は「スキル」より「賃金」を重視している一方、新卒として就活をし直す場合では意見が分かれる結果となっていた。なお、そのような意見の違いには物価高が関係しているようで、社会人の“給与”に対する意識の強さがうかがえる結果となっている。新卒採用においては就活生に対する有効な訴求が必要だが、就活時~入社後の意識の変容も踏まえて考えることで、入社後数年での早期離職を予防する糸口になるかもしれない。

出典:https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP686272_T00C25A2000000/

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