2023年卒向けのインターンシップが9月以降も盛んに開催されているほか、早い企業ではセミナーや面接選考も始まっているようです。今回から数回にわたり、2022年卒学生の本音の声を紹介していきますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
なお、今回の調査では1人1社しか投票できない形で実施しており、「最も印象の良かった」企業として回答していることになります。1票の持つ意味は大きいといえます。
シンプルかつ充実した社員情報の楽天グループ
まずは、「採用ホームページ」を取り上げます。好感度の高かった企業の上位20位までをランキング形式でまとめた表が[図表1]です。本欄の9月掲載記事でも紹介しましたが、文系では、閲覧した採用ホームページは「10~14社」が最も多く21%、次いで「15~19社」と「20~24社」がともに15%などとなっており、「10社」以上を閲覧した割合は8割以上を占めます。理系は文系よりもやや少なくなるものの、「10社」以上閲覧した割合は65%と約3分の2に上ります。文系、理系ともに、より上位の大学グループ層ほど閲覧社数は多くなる傾向にあり、学生に評価される点を踏まえた採用ホームページづくりが求められます。では、どのような観点で学生は採用ホームページを見ているのかを検証してみましょう。・内容がスッキリして分かりやすかった。IR情報のリンクがあり、必要な情報を集めやすかった(文系・旧帝大クラス)
・シンプルかつ余白がうまく使われていて、情報の見落としなどがない。多数の企業とは異なる形式ではあったが慣れると一番使いやすかった(文系・旧帝大クラス)
・ワクワクするような印象を持つデザイン、福利厚生や働き方などの情報が充実していた(文系・上位私立大クラス)
・細々と書いているのではなく、簡潔に大事なことを要約していたため見やすかった(文系・その他私立大)
・社員の方々の働きぶりが分かった。組織図が分かりやすかった(文系・早慶クラス)
・従業員の紹介ページが多く、キャリアのイメージがしやすかった(文系・上位私立大クラス)
・さまざまな役職の方のインタビューと一日のスケジュールを知ることができた(文系・早慶クラス)
シンプルで分かりやすいデザイン・UIでありながらも、必要な情報がしっかり整理されており、社員の情報も充実しているという点が高く評価されたようです。
社員の思い、人柄が伝わってくるカゴメ
2位のカゴメでは、社員メッセージに言及するコメントが多く、社員の人柄や思い、やりがいなどに共感する学生がとても多くなっています。・食に対する思いや、製品を通して人々に何を届けたいのか、丁寧に綴られていて感動した(文系・旧帝大クラス)
・人事の方の温かさがホームページからも伝わってきた。「緊張せずに、等身大のあなたを知りたいです」というメッセージから人柄を重視している企業であることが分かった(文系・上位私立大クラス)
・社員の方の共通項として、「食に対して確かな使命を持ち、カゴメの製品を心から愛していること」を感じました。多くの社員の方のコメントを載せることで、働いている方一人ひとりの思いや、やりがいが伝わってきました。「健康寿命の延伸に貢献したい」という想いを実現するための取り組みが具体的に述べられていて、分かりやすかった(理系・中堅私立大)
・人柄があふれていた(理系・旧帝大クラス)
・社員一人ひとりの仕事や考えを紹介するページがあり、具体的なイメージができた(理系・上位国公立大)
3位のソニーミュージックグループに対するコメントは、エンタメ企業らしさと「職種診断」に触れるものが多くなっています。
・すごくポップで、エンタメ企業らしいなと思った(理系・中堅私立大)
・採用ページでありながら、堅苦しくなく面白さがあった。採用ページは社風と同じである印象を受けるので、この会社は面白く明るい雰囲気があるのではと思えた(文系・上位私立大)
・デザインが凝っていて、幅広い職種の中で自分に合ったものを提案するための質問なども用意されていて、UIもPC・スマートフォンともに使いやすいものであった(理系・その他私立大)
・先輩インタビューや職種診断など、多角的視点で企業のことを知れるようなトピックがたくさんあった(文系・その他国公立大)
・ただ単に企業の説明がされるだけでなく、職種診断などコンテンツが盛り沢山でさすがだなと思った(文系・早慶クラス)