中堅企業は6割超が、企業説明会や採用選考に「少なからず影響する」

「東京オリンピック期間中であることが企業説明会や採用選考の開催に影響すると思うか」との問いに対しては、以下のような結果になりました[図表11]
第107回 東京オリンピック・パラリンピック開催時の採用活動や研修はどうなるのか
東京周辺企業のうち大企業では、「少なからず影響する」(「影響する」と「少し影響する」の合計、以下同様)とする割合は54%、中堅企業では65%といずれも半数を超えており、特に、中堅企業では39%が「影響する」と予測しています。一方、中小企業では「少なからず影響する」とする割合は41%で、そのうち「影響する」と予測する企業は15%にとどまっています。前項で、企業説明会や採用選考を「実施する予定である」とする割合が最も高い中堅企業において、影響を懸念する割合が高い傾向があり、中堅企業を取り巻く人材確保における厳しい現状がうかがえます。

パラリンピック期間においては、オリンピック期間より「少なからず影響する」とする企業の割合が減少し、「あまり影響はない」もしくは「影響はない」とする企業の割合が増加し、東京周辺の中小企業では半数以上となっています[図表12]
第107回 東京オリンピック・パラリンピック開催時の採用活動や研修はどうなるのか
企業説明会や採用選考を「実施する予定」である企業の割合が、オリンピック期間とパラリンピック期間で同程度であることを踏まえると、インターンシップの開催と同様に、パラリンピックのほうがオリンピックより観客動員数が少ないと予測されていることが、企業説明会や採用選考の開催への影響も少ないとの予測につながっていると推測されます。

五輪期間中に実施予定の研修は「新入社員研修(フォロー研修)」が最多

次に、人事部門が主催する従業員の研修についても予定を聞いてみました。オリンピック期間中の研修については、東京周辺のいずれの企業においても「行う予定」とする割合は1割以下にとどまり、「未定」とする割合は2~3割で、これらの企業は現段階では決めかねていることがうかがえます[図表13]
第107回 東京オリンピック・パラリンピック開催時の採用活動や研修はどうなるのか
パラリンピック期間中の研修については、大企業と中堅企業で「行う予定」が1割以上で、オリンピック期間より開催意向がやや高いものの、「行わない予定」とする割合が圧倒的に多いことが分かります[図表14]
第107回 東京オリンピック・パラリンピック開催時の採用活動や研修はどうなるのか
研修を開催予定である東京周辺の企業において、オリンピック期間中に開催予定の「研修の種類」(複数回答)を見ると、「新入社員研修(フォロー研修)」が最多で60%、次いで「テーマ別研修」が50%などとなっています[図表15]
第107回 東京オリンピック・パラリンピック開催時の採用活動や研修はどうなるのか
オリンピック期間中に研修を開催する企業数が非常に少ない中で実施される研修としては、フォローのタイミングが重要となる新入社員の研修が優先されることがうかがえる一方、パラリンピック期間中では、研修の種類によるポイント差が少なく、オリンピック期間より実施予定の研修にバラつきが見られます。

新入社員の配属のタイミング、大企業と中堅企業は「例年...

この記事にリアクションをお願いします!