ProFuture代表の寺澤です。
11月19日に資格検定事業を手掛ける株式会社サーティファイが発表した「オンラインによる就職活動についての実態調査」の結果は、採用担当者にとってかなりショッキングなものでした(調査対象:2024〜2026年卒業予定のオンライン就職活動経験者591人)。それは、自宅などでオンライン試験を受けた人のうち、カンニングを一切行わなかったのは54.5%と、半数程度しかいなかったというものです。
第165回 春の入社を控えた25年新卒学生の“生の声”。面接やインターンシップに対する本音は
さらに、カンニングの手口として最も多かったのは「スマートフォンで検索や参考資料を見た」というもので、17.6%と2割近くとなり、次いで「パソコンやタブレットで生成AIを使用した」(11.5%)、「パソコンで検索や参考資料を見た」(11.0%)、「スマートフォンで生成AIを使用した」(7.8%)と続きます。数年前に「替え玉受験」がニュースで取り上げられて話題になりましたが、「有償の受験代行サービスを利用した」(2.7%)や「友人や知人に解答を手伝ってもらった」(4.1%)よりも、“生成AIを使用した”不正行為のほうがはるかに多いことに、時代の変化を感じざるを得ません。ちなみに、何らかのカンニングを行った人のうち、その受験企業から内定を得た人は62.5%と6割以上に及んだということです。

皆さんの会社では、採用選考においてこうした学力試験の結果をどの程度重要視していますか。テストセンターを利用しないで実施した学力試験の結果は、もはや参考にすべきではないといえそうです。

面接に活かせる情報が高評価

今回は、HR総研が就活口コミサイト「就活会議」と共同で、2025年卒業予定の同サイト会員学生を対象に実施した「2025年新卒学生の就職活動動向調査(6月)」(調査期間:2024年6月3~17日、有効回答:338件)の結果の中から、就活生の生の声をいろいろと紹介します。ぜひ参考にしてください。

まずは、「印象の良かった採用ホームページはどんな点を評価したのか」についてのフリーコメントです。色やデザインなどサイトの体裁に関するもの、構成や見せ方に関するもの、内容に関するものなど、さまざまな観点から意見が寄せられました(以下、大学名は調査回答時のもの)。

【デザイン】
・カラフルで見やすい(理系、東京工業大学)
・すごく鮮やかで、ダイバーシティなイメージを持った。英語が多用されており、自分が入りたい組織だと感じた(文系、同志社大学)
・文字が多過ぎずイラストを交えた見やすいデザインで、経営理念や事業内容なども詳しくまとめられている(理系、徳島大学)
・サイトが見やすい。また採用の情報や社員のインタビューなどが充実していた(文系、関西学院大学)
・実際にその商品を使用して生活が豊かになる印象を受ける、雰囲気のあるホームページだと感じた(理系、広島大学)
・UIが分かりやすく、最新技術の説明なども項目ごとに分かれており、就活する際にとても使いやすく感じた(理系、東京理科大学)
・一目でパッとその会社の社会貢献度や、どういった分野で活躍しているのかが理解できるデザイン(理系、名古屋工業大学)

【構成・見せ方】
・選考フローの図が分かりやすい。理念などがよくまとまっており、かなり規模の大きい企業であるものの分量がコンパクトで、企業研究がしやすかった(理系、筑波大学)
・この会社を視野に入れていなかった人でも、自然に引き込まれるようなCMがあった(文系、金沢大学)
・書類提出先とその他アンケートのフォームが大まかに分かれていて、分かりやすかった(理系、横浜国立大学大学院)
・求めている人材イメージを1ページに盛り込みつつも、見やすく、印象的であった(文系、立命館大学)
・企業説明だけでなく、社員のインタビュー動画や社長メッセージなど採用にかける思いが伝わった(理系、静岡大学)
・職種別に細かく解説されており、面接前などに参考にしやすかった(理系、東海大学)
・インターン参加条件や選考フローなど、気になることがすべて明確に示されていた(理系、大阪公立大学)

【内容】
・目指すべき人材像など、面接などで使いやすい内容で分かりやすい(理系、東京理科大学)
・内定者や新入社員へのアンケート結果が載っており、同年代の人がどのような印象を持っているのかが理解しやすかった(理系、静岡大学)
・自社自体のことに加えて、グループ会社のシナジーについても説明があったため、他の企業や業界全体のことも知る機会となった(文系、関東学院大学)
・現状で何が求められているか、過去の社風を大事にしながらこれからどのような方向性で事業へ取り組んでいくかなど、イメージが湧きやすかった(理系、同志社大学)
・この会社に向いている人柄等や、職種に関する説明が丁寧に書かれている(理系、群馬大学)
・社員の紹介や、交流の様子などがSNS等を通して上げられており、会社の様子がよく分かった(文系、京都教育大学)
・今後注力していく領域が明確だった(理系、京都大学大学院)
・さまざまなバックグラウンドを持つ社員のリアルな声が多く掲載されていた(理系、大阪大学)
・さまざまなキャリアの築き方が他社よりも詳しく掲載されていた(文系、大阪大学)
・さまざまな分野のプロジェクト事例が見られ、社員インタビューや映像が豊富だった(理系、東京理科大学)
・社員のキャリアパスや福利厚生が明確に分かりやすく書かれている(文系、明治大学)
・事業内容が豊富に掲載されており、多くの事業について調べることができた(理系、横浜国立大学)

複数のプログラムで立体的にインターンシップを組み立てる

次は、「印象の良かったインターンシップはどんなプログラムなのか、どんな点を評価したのか」です。「ゲーム形式」「オフィスでの実務体験」「社員からのフィードバック」「社員・参加者とのコミュニケーション」「複数プログラムによる理解の深化」などがキーワードのようです。

【ゲーム形式】
・提携営業を想定して、提携カードを作るまでをゲーム形式で学ぶプログラムでは、関係各所とカードを作り上げていく面白さを体感でき、カード業界に大きく興味を持つきっかけとなった(文系、学習院大学)
・企業の歴史をゲーム形式で学べ、楽しさがありつつ企業のことも深く知ることができた(理系、名古屋国際工科専門職大学)
・チームに別れて架空の店舗の売上高を競うゲームを行うという内容だったが、ゲームの中身が作り込まれており、取り組んでいて大変楽しかった(理系、東京工業大学)

【実務体験】
・1dayで新たなまちづくりの体験をするプログラムだった。社員の人柄も良く、プログラムに対して真摯(しんし)に対応していることが好印象だった(文系、同志社大学)
・実際に業務で作成した成果物を使用して工場内で稼働させていただけたことで、普段の研究活動とは異なる達成感があった(理系、同志社大学)
・5日間の事業提案型グループワークインターンシップに参加し、業務や企業への理解が深まった(理系、名古屋大学)
・大規模なインターンシップで海外コンテンツの企画を考える内容だった。社員の方の解説に納得感があり、ためになった(文系、京都教育大学)
・社員の方に実際に業務や仕事を案内・説明してもらい、楽しく、イメージがしやすかった(文系、神戸大学)
・部署に配属され、実際のオフィスで業務体験をしたことで自分が実際に働く姿を想像できた(理系、日本大学)
・3日間の各事業本部における新規事業立案ワークは、実際の業務を体感できる内容だったため、難しかったがやりがいがあった。アドバイザーが親身になって相談に乗ってくれ、社員の人柄も知ることができた(文系、大阪大学)
・企業説明について、ネットに載っていることだけではなく、インターンシップに参加することで、より詳しく知ることができるプログラムのほか、実際の業務を行うプログラムなどもあり、とても良かった(理系、香川大学)
・未経験でもアジャイル開発の雰囲気を体験することができ、短い期間ながら濃い内容で楽しかった(理系、静岡大学)

【フィードバック】
・長期でプログラムの内容が幅広く、実際の業務を体験でき、フィードバックもしっかりしていた(理系、北九州市立大学大学院)
・3日にわたるプログラムで、丁寧な会社説明とフィードバック付きのグループワークがあった(理系、徳島大学)
・社員の方々が親切にアドバイスを下さり、一人ひとりに対してフィードバックしていただいた(理系、東京大学大学院)

【コミュニケーション】
・講義を挟んだグループワークがメインで、同年代の学生とたくさんコミュニケーションを取ることができて刺激を受けた(理系、静岡大学)
・参加したインターンシップの中で飛び抜けて先輩社員の参加数が多かったため、社風をより詳細に知ることができた(文系、広島大学)
・社員の方の人柄が何よりも良かった。また、質問会の時間も長く、少ない人数で行ってくれたので社員の方と密に関われた(文系、熊本大学)
・会社について、さらに就活そのものに関しても親身に相談に乗ってくれた(文系、金沢大学)
・企業による宿泊の準備が丁寧だった。 社員が親切に対応してくださり実務内容に近いことを学べた(文系、大阪大学)

【複数プログラム】
・複数のインターンシップがあり、たくさん経験できた(文系、立命館大学)
・最初のインターンシップは短時間のもので、参加すると第2回のインターンシップに案内され、最後には早期選考への案内もあることから、同社への興味ややる気のある人が選考に有利になるものだった(理系、富山県立大学)
・夏の1dayと秋の2daysに参加し、会社のことや具体的な仕事内容などへの理解が深まった(文系、同志社大学)

座談会を通して社風を発信

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