今回は、いつもとは少し変わった調査結果について報告したいと思います。HR総研では、2019年12月18~25日に、東京オリンピック期間(2020年7月24日~8月9日/以下、「オリンピック期間」)および東京パラリンピック期間(2020年8月25日~9月6日/以下、「パラリンピック期間」)における人事業務の動向についての緊急調査を実施しました。企業は、東京オリ・パラ期間中の従業員の就業環境、採用業務、研修などについて、どのような対応を考えているのでしょうか。なお、集計については、東京周辺企業(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県を拠点とする企業)とそれ以外の企業、さらに東京周辺企業については従業員規模別に分けて比較してみました。
東京周辺企業とそれ以外では大きな温度差
まず、オリンピック期間における従業員の就業環境整備について聞いてみたところ、東京周辺の企業のうち1,001名以上の大企業では、「少し不安である」と「あまり不安ではない」がともに最多で29%、次いで「不安である」が17%となりました [図表1]。一方、東京周辺以外の企業では、「どちらでもない」が最多で31%、次いで「不安はない」が30%、「あまり不安はない」が24%となっており、「不安である」とする企業は1社もなく、「不安」派の割合は「少し不安である」の15%のみとなっています。東京周辺企業とそれ以外の企業では、かなりの温度差があります。
同様にパラリンピック期間における従業員の就業環境の整備についても見てみると、東京周辺企業のうち大企業では、「あまり不安ではない」が最多で27%、次いで「どちらでもない」が23%となっています[図表2]。