2年連続トップのニトリ
次に、インターンシップについても見てみましょう。1 人当たりのインターンシップ参加社数は年々増えており、ただ何となく開催して早期に関心層のリストを入手することだけが目的にならないように、注意しましょう。インターンシップに参加する学生は、その企業や業界に何らか関心を持っている学生が大半です。しかし、参加したインターンシップ先の企業すべてに正式応募をした学生の割合は、文系で20%、理系で26%にとどまります[図表2]。文系の14%、理系の12%に至っては、インターンシップに参加しても1社にも応募していないと回答しています。
では、志望度をさらに高めることに成功した、好印象を与えることができた企業はどんなことをしていたのでしょうか。[図表3]は、文系・理系の合計得票数の上位20位までのランキングです。
では具体的な理由コメントを見てみましょう。業界や自社のことだけでなく、就職活動全般に対する支援、多彩な職種(部署)を体感するグループワーク、そして丁寧なフィードバックが評価されているようです。
・就活の進め方についてからレクチャーしてくれるサマーインターンだった。就活生を一から応援してくれる姿勢が伝わってきた(文系・早慶クラス)
・就活の進め方や自己分析の参加型セミナー。就活のやり方や人事からの見え方など、手厚くフォローがもらえた。また、さまざまな事業部の業務を4日間通して学ぶことのできるインターンなど、充実したプログラムだった(文系・上位私立大)
・学生にあらゆる経験をしてもらいたい、という想いがすべての担当社員から感じられた。あらゆる部署を体験できるインターンシップだった(文系・早慶クラス)
・部門ごとに4時間ほどのインターンシップが開かれており、自分の興味のある部門のみ参加できた。社員からのフィートバックが良かった(文系・上位私立大)
・初めて参加したインターンシップでしたが、フィードバックも丁寧でやるべきことが分かり、就職活動を行う上で糧になったインターンシップでした(文系・その他私立大)
・実際の業務を体験できることが楽しかった、リクルーターの方が皆さん優しく、対面でもたくさんお話ししてくださった(理系・その他私立大)
・人事の方がとても学生にラフに話しかけてくれる(理系・上位国公立大)
社員・内定者の参加が高評価の損保2社
2位の三井住友海上保険も、ニトリと同様にフィードバックを評価する声が多く、さらに社員や内定者のフォローについてのコメントも目立ちます。4日間のプログラムを通じて、同じグループのメンバーとの親交を挙げる声もあります。・座談会が多い。1班に1人内定者がついてフィードバックをしてくれる。業務体験ワーク。リスクを探し出し、どう解決していくか考えるというもの(文系・上位私立大)
・丁寧なフィードバックが4日間毎日あった(文系・旧帝大クラス)
・オンラインでの開催にもかかわらず、社員の方との距離が近く、業界理解に十分な機会だと感じた(文系・早慶クラス)
・内定者の方はもちろん社員の方が、その人たちにとってプラスになり得ないような学生に対しても誠実な対応をしてくれた(文系・その他私立大)
・体感ワーク、新規事業立案。グループメンバーと一番距離が縮まり非常に充実した4日間だった(文系・旧帝大クラス)
・4日間密度が濃い時間を過ごせた上、参加していた就活生と非常に仲を深められた(文系・早慶クラス)
3位は同じ損保業界の東京海上日動火災保険。幅広い部署、役職の社員、さらにはオンラインだからこそ可能な海外駐在員のリモート参加など、とにかく多くの社員との語らいの場を評価する声が多くなっています。
・さまざまな年次の人と話せたこと、レベルの高いワークを体感したことなど常に飽きることなく挑戦できた(理系・旧帝大クラス)
・新規事業創造グループワーク。規定時間終了後も居残って課題を進める学生に、社員の方も自らの時間を削ってアドバイスやブラッシュアップに積極的に協力してくださった(文系・旧帝大クラス)
・とにかく丁寧で、コロナ禍で社員訪問の機会が限られている就活生に、インターンシップ内で幅広い部署、役職の社員の方々とお話をする機会を非常に多く設けてくださった(文系・上位私立大)
・講義、グループワーク、座談会を通じて、包括的に会社を理解することができた。グループワークでは優秀なメンバーとともに活動できたのも刺激となった(文系・旧帝大クラス)
・あまり興味がなかった業界ではあったが、大変細やかな座学によって業界への理解を深めてくださった。さらに部長や課長、海外駐在員とのリモートでの対話も実現してくださり、最も密度の濃いインターンシップだと感じた(文系・旧帝大クラス)