面接社数を押し上げるオンライン面接
セミナー・説明会の次は、いよいよ面接です。まずは、面接社数について2020~2022年卒の同時期調査の結果を比較してみましょう。[図表8]が文系、[図表9]が理系です。2022年卒を2020年卒と比較しても、「4~6社」など社数の少ない項目で減少し、「10~14社」「15~19社」など社数の多い項目で軒並み増加していますので、過去3年間で最も面接社数は多かったといえます。オンライン面接の普及が、遠隔地の企業等への応募を促進し、面接社数を押し上げたものと推測されます。
理系でも2021卒との比較では、「1~3社」や「4~6社」といった社数の少ない項目の割合が減少し、「7~9社」以上の項目では軒並み増加、あるいは横ばいとなっていますので、2021卒よりも面接社数がやや伸びています。ただ、2020年卒と比較すると、「1~3社」が増加し、「15~19社」「20~24社」などは微減になっていますので、2020年卒よりは面接社数はやや減少したといえます。
オンライン面接の普及という背景は文系と変わらないものの、理系学生の争奪戦は激しくなっているとともに、推薦応募の学生が何割か含まれていることもあり、総じて理系の面接社数は文系と比較して少ない傾向となっています。「10社未満」(「0社」~「7~9社」の合計)と「10社以上」(「10~14社」~「30社以上」の合計)の割合を比較してみると、文系では「10社未満」48%、「10社以上」52%とほぼ半々ながら「10社以上」の割合のほうがやや多いのに対して、理系では「10社未満」72%、「10社以上」28%と、圧倒的に「10社未満」の割合のほうが多くなっています。
応募企業層により面接形態に差異が
コロナ禍の中で、対面型面接よりもオンライン面接が主流になったとよく言われますが、それを具体的な数字で検証してみました。まずは、「一次面接」の面接形態について、オンライン面接と対面型面接の割合を聞いた結果が「図表10」(文系)と「図表11」(理系)です。応募企業層の違いによる差異を見るため、大学クラス別のデータを用意しました。一方、理系に目を向けてみると、大学クラスを問わず、全体的に「オンライン面接」比率が高くなっています。例えば、「オンライン面接のみ」の割合を比較してみると、理系全体では62%と文系よりも17ポイント高く、「旧帝大クラス」78%(+11ポイント)、「早慶クラス」72%(+16ポイント)などとなっており、最も割合が低い「中堅私大クラス」でも44%(+13ポイント)となっています。ただ、大企業への応募が多いであろう大学クラスほど、オンライン面接の割合が高くなることは、文系と全く同様です。