何事も「2」が危ない─ 不思議な法則と実態

  会社の月次データや四半期ごとの動向を見ていると,面白いことに気がつく。それは「2」のつく時期が,おおむね目標も実績も低いということだ。年度では2ヵ月目の5月,期では第2四半期, 3年単位の中期計画では2年目が,それぞれ該当する。「例外なしの法則」とまではいえないが,筆者が関わった会社や団体の多くで,同じような傾向が確認できた。目標が低めに設定されるのは,ある意味で当然といってよい。

●5月はゴールデンウィークがあり,稼働日(営業日)が少ない。

●第2四半期は7月, 8月の夏季休暇があり,稼働日が少ない。
 よって,運輸やサービス業など,一部の業界を除いては大きなマイナス要因となる。稼働日が少なければ,それに比例して売り上げが減少するのは仕方がないと誰もが考える。だから営業実績も他の時期より悪くなって当然だ─単純明快な理屈のようだが,「理由」はそれだけではない。5月や第2四半期には,稼働日が減少する割合よりもさらに大きく落ち込む会社が少なくないからだ。現場からはこんな意見が聞かれた。

●4月は年度始めで気合いが入るが,その反動で5月は“流す”感じになる。

●ゴールデンウィークで気が抜けて,立ち直るのに時間がかかる。
 稼働日が少ないというだけでなく,働く側にもそれなりの「理由」があったわけだ。指摘されてみると,思い当たる節がある,と感じる人もけっこういらっしゃるのではないか。
 第2四半期についても,同じような指摘があった。

●第1四半期はいくつもスローガンがあるのに,第2はそれほどでもない。

●昔から「第2四半期は仕方がない」という雰囲気が全社的にある。
 要するに,稼働日が少ない,時期的によくないという理由から,他の時期ほど真剣に取り組んでいないのである。悪ければ悪いなりに最善の努力を尽くすという意欲があまり見られない。いわば端境期だから仕方がない,という上の姿勢が下にも伝わって,全社的に沈滞した空気が蔓延し,それが長年の慣習のようなものとなって,悪い時期をますます悪くしているのである。
 では,どうすればよいか。この時期は目標未達成も仕方がない,という空気をまず一掃しなければならない。「2」のつく時期も「1」の時期と同じ姿勢で臨めるような仕掛けを作ることが肝要である。「2」を一種の強化期間と考えて,まずは前年同期を上回るための具体的な方策を考えていただきたい。細かい方法論は別として,意識を変えることが先決である。

「社2 病」を乗り切る 意識改革が必要

  ついでながら「2」の傾向は,子供の成育に関しても当てはまる。1年のうちで,のんびりしたり羽目を外したりしがちなのは2学期である。中学生・高校生が悪い誘惑にかられやすいのは,統計的に第2学年となっている。1年目は初々しい気持ちがあって,また3年目は最終学年の緊張感が生まれて自然と目が輝く。それなりにモチベーションが高まるのである。「中2病」という言葉をご存じの方も少なくないだろうが,最近では「社2病」などという造語もある。興味のある方はネットでご確認いただきたい。

 ─ということで,職場でも家庭でも「2」を見直してみよう。きっと新しい発見があるはずだ。
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