大手志向が減少した理系
次に、志望する企業規模について見てみましょう。学生に対しては、企業規模の定義を「大手企業=1000人以上、中堅企業=300~1000人未満、中小企業=300人未満」として質問しています。[図表1]で見たように、「楽観派」の割合が高まったことで、志望する企業規模についても大手志向がより強くなるのではと推測していましたが、文系と理系では異なる結果となりました[図表3]。文系では、「できれば大手企業に行きたい」の割合はほとんど変わらず、「絶対大手企業に行きたい」が6ポイントもの伸びを見せていますが、理系では「絶対大手企業に行きたい」が3ポイント、「できれば大手企業に行きたい」も8ポイントの減少と、どちらも減少しています。その代わりに、「企業規模は問わない」が16%から25%へと9ポイントもの伸びを見せています。
企業の採用意欲は、文系よりも理系のほうが高く、理系において「大手志向」がここまで減少する理由は見当たりません。インターンシップや早期の選考に参加する中で、大手企業以外の企業で気になる企業と巡り会うことのできた学生が多かったのかもしれません。
半数以上が部長以上のポジションを志向
ここからは、今回初めて設定した質問の結果を紹介します。まずは、「将来どのポジションにまで就きたいと思うか」という問いへの回答結果が[図表4]です。よく「管理職になりたくない社員が増えた」という声を耳にしますが、今回の結果を見ると学生はそうでもないようです。学生時代(あるいは新入社員時代)は、文系・理系ともにマネジメント志向、出世志向があるにもかかわらず、会社での社会人生活を続ける中で徐々にマネジメント志向が弱まっていくものと推測されます。現実の管理職の働く姿を見て、それまで抱いていたイメージとの乖離が大きく、その魅力が失せていくということなのでしょうか。
働き方改革が進む中で、管理職も残業や休日出勤は、かつてと比べれば大幅に減少しているはずです。それにもかかわらず、管理職のイメージを悪くしている原因は何なのか、今一度考える必要がありそうです。
続いて、「自分の持つ専門性をどのように活かして働きたいと思うか」という問いへの回答結果が[図表5]です。グラフは、文系の結果で降順に表示していますが、文系と理系では明らかに意識が違うことが見て取れます。