第8回 HRテクノロジー大賞『アナリティクス部門優秀賞』
株式会社SHIFT
人的資本への投資対効果を見える化!!
経営と人事をDXで紐づける『ヒトログ』活用
同社は、従業員が在籍期間中に生み出す価値を、LTV(Life Time Value)と捉えて公式化・定量化し、人的資本への投資対効果を分解・管理しています。独自開発の人材マネジメントシステム『ヒトログ』の活用によるデータドリブンな人事施策は、年間昇給率、離職率、従業員満足度などの改善に貢献しており、これらが斬新かつ優れた取り組みであると高く評価されました。プロフィール
中園 拓也 氏
株式会社SHIFT
人事総務統括部 コーポレート人事部 部長
人事系コンサルティング会社にて、企業の組織設計、人材育成などに関わる。SHIFTに入社後、成長する組織の人材評価に関する方針立案、制度設計、ES向上を目的とした制度や仕組みづくりなど、より良い会社づくりのための多岐にわたる施策を遂行する。SHIFTの人材戦略の強みの一つであるデータドリブンな人事戦略、ピープルアナリティクス戦略を責任範疇とする。
“一人ひとりを正当に評価したい”という想いから始まった『ヒトログ』の開発
――まずは、今回の取り組み概要について教えてください。SHIFT は従業員を人的資本と捉え、独自の計算式を用いながら、「LTV(Life Time Value)=在籍期間に生み出す利益」を最大化するための投資を行っています。それを支えるのが独自の人事システム『ヒトログ』です。従業員のあらゆる情報を収集し、これを活用して個人や組織に対するアプローチを行っています。それがLTVの最大化につながり、経営数字にも貢献するという仕組みです。
――どのような背景で『ヒトログ』の開発を始めたのでしょうか。
『ヒトログ』は、2018年に開発・運用を始めました。そのきっかけは、評価会議です。これは、半期に一度行われ、SHIFTにおいて人事考課の役割をもつ非常に重要な会議体です。SHIFTは創業時より人にまっすぐ向き合い、大切にしてきた会社です。そのため、評価会議も代表の丹下を中心として、一人ひとり誠実に取り組んできました。評価の思想も、他の社員との相対評価ではなく、本人の成長を大事にする絶対評価です。
だからこそ、一人ひとりの成果やキャリアビジョン、エンゲージメントの状態などを細かく見ていく必要がありました。また、この頃から戦略的に採用にも注力し、組織規模が急速に成長しはじめていました。この先、従業員の数が数千、数万名規模にもなることを見越したとき、個人の背景や個別の成果をふくむ従業員の色々な情報を即座に把握できるようなシステムが必要だと考えました。それまではExcelなどを利用して管理していたデータを集約し、独自で開発・運用を開始したのが『ヒトログ』です。収集するデータ数も増え続け、現在では一人当たり450項目ほどの情報を網羅しており、3分あればその従業員のことが詳細に把握できるようなデータベースとなっています。
――「人的資本経営」を下支えするシステムを、5年も前から活用していたのですね。
そうですね。人の能力や成果をフラットに評価したいという想いは、規模が急速に大きくなる中でも決して変わりません。この『ヒトログ』の進化が、人的資本経営の基盤となっています。
- 1