1月7日に発出された新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言は、栃木県を除く10都府県で3月7日まで1カ月間の延長となりました。1~2月のインターンシップのピーク時期だけでなく、3月1日から解禁となる会社説明会や合同企業説明会も、現在の新規感染者数や医療機関のひっ迫状況等が大きく改善しない限り、スタート時は緊急事態宣言下で開催されることとなったわけです。3月上旬の状況次第では、さらなる延長がないとも言い切れません。企業と学生が集中する三大都市圏が緊急事態宣言期間中となるわけで、解禁時点で新卒採用や就職活動に与える影響は昨年以上といえるでしょう。
それでも学生にとって就職活動は初めての体験。少しはオンラインツールの扱いに慣れてきたとはいえ、企業の人事担当者との面接となれば話は別です。人事の皆さんには、面接開始前に少しアイスブレイクを挟むなど、学生が素の自分で面接に臨めるように配慮をしていただければと思います。
進学して間もなく始まる就職活動
今回は、HR総研と理系大学院生向け就活サイト「LabBase」(株式会社POL)が本年1月に共同で実施した「2022年修了 理系院生の就職活動動向調査」の結果を取り上げます。コロナ禍が続く中でDXの流れが加速し、理系人材への需要が高まるとともに、昨年トヨタ自動車が推薦応募枠の廃止を発表するなど、さまざまな分野から優秀な人材を確保しようとする動きが加速しています。その一方、学業や研究との両立に苦慮しながら就職活動に励む理系院生は、コロナ禍の影響をどのように捉え、現在の就職活動に対してどのように取り組んでいるのでしょうか。
まず、理系院生の就職活動の状況を聞いてみると、今年の1月時点で82%が「就職活動を続けている」状況と回答しており、「これから就職活動を始める予定」はわずか13%にとどまります[図表1]。ほとんどの学生が既に就職活動を始めていることが分かります。また、3%ではあるものの、既に「就職活動を終了した」という学生も現れています。