3月までの内定出し、内定承諾保留が6割以上

最後に「内定(内々定)」の状況について見ておきましょう。まず、大学3年3月時点での内定(内々定)社数ですが、「0社」、つまり「未内定」と回答した割合を24年卒調査と比較すると、文系で67%→49%、理系で53%→49%と減少しています[図表15]。つまり、「1社以上」の内定を持っている割合(内定率)が、文系で33%→51%、理系で47%→51%へと大きく増えたことになります。これは、3月時点で半数以上の学生が既に内定を持っているということです。就職活動や企業の採用活動がいかに早期化しているかが分かります。

内定社数で最も多いのは、文系・理系ともに「1社」で、それぞれ27%、29%と3割近くを占めます。次いで「2社」が文系で14%、理系で「10%」となっています。理系では「3社」も「2社」と同じく10%を占めます。“2社以上”の内定を持つ学生が既に2割以上いることからも、学生優位の売り手市場であることがうかがえます。
[図表15]3月時点での内定(内々定)社数(24・25年卒比較)
24年卒調査よりも早いペースで内定者が増えていますが、学生の「内定承諾」状況について24年卒調査と比較すると、企業側にとってあまりよくない結果が見られました。大学3年3月時点で「内定承諾した、もしくは、内定承諾する企業を決めた」と回答した割合は、文系で33%→29%、理系に至っては57%→38%へと20ポイント近く減少しているのです[図表16]。コロナ禍以降、早期に取得した内定をそのまま承諾する学生の割合が増えていましたが、この流れは変わってきたようです。

「まだ決めかねているが、就職活動は終了した」とする学生は、文系で10%いますが、理系ではゼロです。文系・理系ともに残りの6割以上の学生は「まだ決めかねており、就職活動を続ける」と回答しており、目当ての企業の合否を待っている学生が多いことが分かります。企業がどれだけ早く内定を出しても、学生の最終決断は目当ての企業の結果次第で先延ばしされ、結果として内定辞退も起こり得ます。ここのところ、企業は内定出しのタイミングを早める競争をしてきましたが、選考および内定出しの時期について、そろそろ見直す時期が来ているのかもしれません。
[図表16]3月時点での内定承諾の状況(24・25年卒比較)

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