セミナー等への参加時期は理系が2~3カ月早い
次に、個別企業が開催するセミナー・会社説明会(以下、セミナー等)への参加状況を見ていきます。まずは、セミナー等への参加社数からです。文系・理系ともに最も多いのは「10~14社」で、文系(22%)・理系(21%)ともに2割を超えます[図表7]。文系では、次いで「30社以上」が19%と2割近くあり、「4~6社」(17%)、「20~24社」(12%)と続きます。“10社以上”とする割合は合わせて65%を占めます。
一方、理系を見ると、「10~14社」の次は「4~6社」(16%)、「7~9社」(15%)と続き、「1~3社」「0社」がともに1割程度となっています。“10社以上”は48%と半数に満たず、文系のほうがより積極的にセミナー等に参加している様子がうかがえます。
一方、理系では、「2023年5月以前」は15%で文系とそれほど変わらないものの、「2023年6月」には3割台、「2023年7月」には4割台となり、早くも「2023年10月」には52%で半数超に達します。結果的にピークは「2023年12月」の56%と「2024年1月」の55%で、文系がピークを迎える「2024年3月」には36%と3割台にまで低下し、「2024年5月」には1割程度となっています。セミナー等への参加社数では文系が理系を上回っていましたが、参加時期では理系が文系よりもずいぶん早く動いていたことが分かります。
「推薦応募のみ」と回答した学生はわずか2%にとどまり、「推薦応募も自由応募もした」の17%と合わせても、推薦応募を活用した学生は2割にも満たないことが分かりました[図表9]。「自由応募のみ」が78%で圧倒的多数を占めており、もはや理系においても自由応募が一般的な応募形式となっているようです。
かつて企業は大学(教授)との関係を非常に重んじたために、よほどのことがない限り推薦応募の学生を不採用とすることはありませんでした。大学もそれが分かっていたので、優秀な学生とそうでない学生を抱き合わせで推薦応募させ、企業側は渋々両者とも採用する――などという話をよく耳にしました。学生にしてみれば、大学で推薦枠さえ取ることができれば、就職活動は実質的に終わったに等しい状況でしたから、大きく様変わりしたものです。