リクルーターや内定者を活用する大企業

さて、ターゲット層を採用するために、企業はどんな施策に注力しているのでしょうか。複数回答で尋ねたところ、大企業では「インターンシップの活用」が59%で最も多く、次いで「先輩・リクルーターの活用」も41%と4割以上となっています[図表8]。中堅企業と中小企業でも最多は「インターンシップの活用」ですが、それぞれ39%、31%と大企業とは大きな開きがあります。また、大企業で2番目に注力している「先輩・リクルーターの活用」は、中堅企業15%、中小企業17%と2割にも満たない状況で、大企業とは異なる傾向が見られます。その代わり、「キャリアセンター・就職部訪問」は中堅企業36%、中小企業31%となっており、ともに大企業の28%を上回る結果となっています。中堅企業では「大学主催の学内セミナー」が33%と3割台となっており、中小企業でも23%と、大企業の10%を大きく上回っています。その他、「逆求人サイト」と回答した割合も、大企業の5%に対して中堅企業18%、中小企業13%と高い割合を示しています。
[図表8]ターゲット層採用のために実施した施策(複数回答)
逆に、「内定者の活用」は大企業の28%に対して、中堅企業は12%、中小企業に至ってはわずか2%にとどまります。「先輩・リクルーター」や「内定者」の活用は、大企業において相対的に重要な施策となっているものの、中堅・中小企業ではうまく活用できていないことがうかがえます。

では、[図表8]で見てきた施策の中で、ターゲット層採用のために最も効果があったものは何だったのでしょうか。同様に複数回答で尋ねたところ、最も多いのは規模を問わず「インターンシップの活用」で、大企業の33%、中堅企業の23%、中小企業の18%が評価しています[図表9]。ただし、規模が小さくなるほど、評価の割合は低くなっています。
[図表9]ターゲット層採用のために最も効果的だった施策(複数回答)
その他、比較的効果があったと認められた施策は、大企業では「先輩・リクルーターの活用」(19%)、「内定者の活用」(11%)、中堅企業では「逆求人サイト」(15%)、「キャリアセンター・就職部訪問」「大学主催の学内セミナー」(ともに12%)です。中小企業においても「キャリアセンター・就職部訪問」は16%と評価されており、最も多い「インターンシップの活用」とわずか2ポイント差となっています。中堅企業で評価の高い「逆求人サイト」「大学主催の学内セミナー」については、中小企業では1割に満たないものの、ともに9%と比較的評価を得ているといえます。また、「研究室訪問」も同じく9%で、中小企業では大学を活用した施策がある程度効果を上げていることがうかがえます。

「福利厚生」「初任給」の説明が少ない大企業

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