中堅企業ではインターンシップ実施企業が増加

採用担当者向け調査の最後は、2026年卒向けのインターンシップの取り組み状況です。まず実施予定を確認すると、全体では「未定」の企業が3割ありますが、「前年は実施していないが、今年は実施する」と「前年同様に実施する」を合わせた「実施する」割合が46%、「前年は実施したが、今年は実施しない」と「前年同様に実施しない」を合わせた「実施しない」が24%という結果になっています[図表9]

従業員規模別に見ると、中堅企業の「前年は実施していないが、今年は実施する」が9%で1割近くあり、「前年同様に実施する」を合わせた「実施する」割合が63%と、大企業(同60%)を上回っています。前年同時期の調査では、中堅企業の「実施する」割合は49%と半数以下であり、14ポイントの増加となりました。中小企業は2ポイントの増加にとどまり、中堅企業での増加ぶりが際立ちます。
[図表9]2026年卒採用に向けたインターンシップの実施予定
次に、実施するインターンシップの実施形式を見ると、全体では「すべて対面形式で実施」が46%で最多、次いで「対面形式を主軸にオンライン形式でも実施」が35%で続き、両方を合わせた“対面派”が8割以上となっています[図表10]

従業員規模別に見ると、大企業は「対面形式を主軸にオンライン形式でも実施」が58%で最多、次いで「すべて対面形式で実施」が33%で、“対面派”は92%と圧倒的です。中小企業は「すべて対面形式で実施」が最多で62%と6割以上となり、「対面形式を主軸にオンライン形式でも実施」(28%)を合わせた“対面派”は、大企業とほぼ同じ9割に上ります。一方で、中堅企業は “対面派”が63%と3割少なく、「オンライン形式を主軸に対面形式でも実施」が30%を占める点が他の従業員規模と異なります。
[図表10]2026年卒採用に向けたインターンシップの実施形式
「対面形式」のインターンシップ実施割合の前年比較でも、大企業と中小企業ではすべての企業が「増加する」か「変化なし」の回答だったのに対し、中堅企業だけは「減少する」4%、「検討中」が8%となっています[図表11]。これまでと同様、中堅企業のインターンシップ実施形式は他の従業員規模と異なる傾向が続いています。
[図表11]2026年卒採用に向けインターンシップにおける「対面形式」の実施割合

6割近くが「ジョブ型」を支持

ここからは、HR総研とみん就が共同で実施した「2025年卒学生の就職活動動向調査」の結果を見ていきます。

まず、近年話題の「ジョブ型」雇用ですが、入社の段階での「ジョブ型採用(職種別採用)」についての賛否を聞いたところ、文系58%、理系56%と6割近くが「賛成」と回答し、「反対」は文系38%、理系39%とほぼ同程度でした[図表12]。従来の「メンバーシップ型」(≒総合職・ゼネラリスト型)と「ジョブ型」の人事制度の違いをよく理解できていないかもしれませんが、漠然と支持している様子がうかがえます。
[図表12]ジョブ型採用(職種別採用)への賛否
次に、将来どのポジションを希望するかを見ると、「社長(起業含む)」と回答した割合は、文系・理系ともに5~6%とさほど変わりません[図表13]。しかし、同じ経営層の「取締役・執行役員」は文系の5%に対し、理系は22%と17ポイントの開きがあります。最も希望割合が高いのは、文系で27%、理系で32%と3割前後を占める「事業部長・部長」です。文系では、次いで「次長・課長」が22%、「役職には就きたくない」が21%と続きます。一方、理系は「取締役・執行役員」が2番目に多く、「次長・課長」が15%、「役職には就きたくない」も同じく15%となっており、入社前の段階から既に管理職を敬遠する層が一定数いることが分かります。

前記[図表12]では「ジョブ型採用」に「賛成」が多かったものの、実際の「専門職」希望は文系で9%、理系ではわずか2%にとどまっています。学生は「管理職コース」「専門職コース」といった複線型人事制度になじみが薄く、「専門職」は法務、デザインなど一部の限られた職種のイメージしかないのかもしれません。
[図表13]将来、最終的に就きたいポジション

9割近い学生が初任給額を重視

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