ダイレクトソーシング実施企業は4分の1
続いて、企業規模別に「ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)」の実施状況について紹介します。本稿ではこの後、幾つかの項目について、「ダイレクトソーシング」の実施の有無をキーにしたクロス集計の結果も見ていくことで、「ダイレクトソーシング」を導入している企業の特徴を探っていきたいと思います。全体では、ダイレクトソーシングを「実施している」企業は24%と4分の1ほどとなっていますが、企業規模別に見ると、中小企業では19%と2割に満たないのに対して、大企業では26%、さらに中堅企業では33%と3社に1社の割合になっています[図表5]。大企業と応募者が競合しがちな中堅企業が最も新卒採用活動では苦戦しているといわれており、「ダイレクトソーシング」という「攻め」の施策についても積極的に取り組もうとしている様子がうかがえます。
ダイレクトソーシング活用企業はインターンシップの実施率が高い
ここからはインターンシップについて見ていきます。まずは、インターンシップの実施状況を企業規模別とダイレクトソーシング実施の有無別でまとめたデータが[図表8]です。また、中小企業では「前年は実施したが、今年は実施していない」が13%にも及び、大企業の3%、中堅企業の6%と比べると格段にその割合は高くなっています。前年にインターンシップを実施した企業を母数にした割合[13%/(33%+13%)]から考えれば、中小企業では28%とさらに高くなり、3割近い企業がインターンシップの継続実施を取りやめていることになります。それだけインターンシップを実施することの負担の大きさに対して、実施したことによる成果がそれに見合わないという判断からなのでしょう。
次に、企業規模に関係なく、「ダイレクトソーシング実施の有無」でインターンシップの実施状況を比較してみると、インターンシップを「実施した」の割合は、ダイレクトソーシングを「実施している」企業群では65%と3分の2近くになっているのに対し、「実施していない」企業群では46%と半数未満となっています。この結果より、ダイレクトソーシングを実施する企業ほど、インターンシップ開催にも積極的に取り組む傾向にあることがうかがえます。