ダイレクトソーシング実施企業は4分の1

続いて、企業規模別に「ダイレクトソーシング(ダイレクトリクルーティング)」の実施状況について紹介します。本稿ではこの後、幾つかの項目について、「ダイレクトソーシング」の実施の有無をキーにしたクロス集計の結果も見ていくことで、「ダイレクトソーシング」を導入している企業の特徴を探っていきたいと思います。

全体では、ダイレクトソーシングを「実施している」企業は24%と4分の1ほどとなっていますが、企業規模別に見ると、中小企業では19%と2割に満たないのに対して、大企業では26%、さらに中堅企業では33%と3社に1社の割合になっています[図表5]。大企業と応募者が競合しがちな中堅企業が最も新卒採用活動では苦戦しているといわれており、「ダイレクトソーシング」という「攻め」の施策についても積極的に取り組もうとしている様子がうかがえます。
[図表5]ダイレクトソーシング実施状況
「ダイレクトソーシング」導入企業を対象に、具体的な施策を回答してもらったところ、最多は「逆求人サイト」で58%、次いで「社員からの紹介(リファラル採用)」49%と続き、3位以下は1割前後にとどまることから、この二つの施策が「ダイレクトソーシング」の代名詞といえそうです[図表6]
[図表6]実施しているダイレクトソーシングの内容(複数回答)
これらの施策の実施率を企業規模別に見ると、大企業では「社員からの紹介」56%に対して「逆求人サイト」は44%と、順位が逆転していることが分かります[図表7]。3位には「逆求人セミナー」(22%)がランクインしています。中堅企業と中小企業では、1位と2位は全体と同じく「逆求人サイト」(中堅:67%、中小:61%)、「社員からの紹介」(中堅:53%、中小:44%)となっていますが、3位については、中堅企業の「取引先等からの紹介(27%)に対して中小企業は「SNSの活用」(11%)と、全く異なる傾向となっています。
[図表7]実施しているダイレクトソーシングの内容TOP3(企業規模別・%)

ダイレクトソーシング活用企業はインターンシップの実施率が高い

ここからはインターンシップについて見ていきます。まずは、インターンシップの実施状況を企業規模別とダイレクトソーシング実施の有無別でまとめたデータが[図表8]です。
[図表8]インターンシップの実施状況(企業規模&ダイレクトソーシング実施の有無別)
まず、企業規模別に比較してみると、大企業では「実施した」(「前年は実施していないが、今年は実施した」と「前年同様に実施した」の合計)が71%に達するのに対して、中堅企業では60%、中小企業では38%と4割以下となっています。中小企業でのインターンシップ実施率が、大企業や中堅企業と比較すると顕著に低いことが分かります。

また、中小企業では「前年は実施したが、今年は実施していない」が13%にも及び、大企業の3%、中堅企業の6%と比べると格段にその割合は高くなっています。前年にインターンシップを実施した企業を母数にした割合[13%/(33%+13%)]から考えれば、中小企業では28%とさらに高くなり、3割近い企業がインターンシップの継続実施を取りやめていることになります。それだけインターンシップを実施することの負担の大きさに対して、実施したことによる成果がそれに見合わないという判断からなのでしょう。

次に、企業規模に関係なく、「ダイレクトソーシング実施の有無」でインターンシップの実施状況を比較してみると、インターンシップを「実施した」の割合は、ダイレクトソーシングを「実施している」企業群では65%と3分の2近くになっているのに対し、「実施していない」企業群では46%と半数未満となっています。この結果より、ダイレクトソーシングを実施する企業ほど、インターンシップ開催にも積極的に取り組む傾向にあることがうかがえます。

逆求人サイトの活用の有無により異なるインターンシップ...

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