大学グループによって異なる活用サイト

次に、就活後半(2024年3月以降)の就職サイトの活用状況では、文系では上位(1~4位)のサイトの顔ぶれ・順位は就活前半と変わらないものの、理系では1位が「就活会議」(64%)、2位が「ONE CAREER」(59%)となっており、就活前半で1位だった「マイナビ」(56%)をも上回る結果となっています[図表2]。「リクナビ」(31%)は「OpenWork」(38%)にも抜かれて5位に転落しています。理系のほうが、就活後半での就職ナビの活用度は低下しているようです。
[図表2]「就活後半(3月以降)」に活用した就職サイトTOP10(複数回答)
ここで、就活前半と就活後半の就職サイトの活用度の差を見てみましょう。[図表3]は、[図表1][図表2]から文系のデータだけを抜き出して並べたもの、つまり文系学生が就活前半と就活後半に活用した就職サイトの活用度を比較したものです。

すべての就職サイトで活用度は低下していますが、就活前半から後半への変化の度合いを比べると、就職ナビは「マイナビ」が86%→73%(-13ポイント)、「リクナビ」が67%→44%(-23ポイント)と10~20ポイント以上も低下しているのに対して、就活口コミサイトの「就活会議」が70%→68%(-2ポイント)、「ONE CAREER」が69%→60%(-9ポイント)と、落差は1桁台にとどまります。就職活動期間の全体を通して活用されるサイトは、今や就活口コミサイトが就職ナビに取って代わる時代が来たと言えそうです。
[図表3]文系の「就活前半(2月以前)」と「就活後半(3月以降)」に活用した就職サイト比較(複数回答)
活用した就職サイトの最後の項目として、1年間を通じて最も活用した就職サイトを一つだけ回答してもらった結果を紹介します。大学グループ別に最も活用した就職サイトを比較したところ、興味深い結果が見られました[図表4]

全体では、1位「マイナビ」(42%)、2位「ONE CAREER」(24%)、3位「就活会議」(14%)と続きますが、旧帝大クラスと早慶大クラスでは、「ONE CAREER」が1位で、「マイナビ」が2位となっているのです。旧帝大クラスでは、「マイナビ」(25%)に対して、「ONE CAREER」は2倍以上の52%と、半数を超えています。上位国公立大や上位私立大など、上記2グループ以外はすべて「マイナビ」が1位ですが、マイナビのシェアを見ると、上位国公立大が38%、その他国公立大が40%、上位私立大が47%、中堅私立大が55%、その他私立大が60%と下位のグループほどシェアが高く、逆に「ONE CAREER」のシェアは徐々に低くなる傾向にあります。その他私立大における「ONE CAREER」のシェアはわずか7%しかありません。大企業志向の学生が多い大学グループほど、「ONE CAREER」を支持する学生が多くなっているようです。大企業ほど応募者は多く、1社当たりの口コミ投稿も多くなりがちなのに対して、中堅・中小企業に関する1社当たりの口コミ投稿数は少なく、口コミサイトとしての利用価値があまり見いだせないのかもしれません。
[図表4]就職活動を通して最も活用した就職サイト(大学グループ別)

就活口コミサイトの利用目的は、ESと面接対策に集中

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