アピールしたい能力は「チームで働く力」

次に、就職活動でアピールしたい自分の能力について、文系と理系を比較してみましょう。文系、理系ともに「チームで働く力」が最多で、53%と半数以上の学生が選択しています[図表3]。前年の調査でも、文系では55%でトップ、理系でも48%でトップと僅差の2位でしたので、大きな変化はないようです。
第122回 2022年卒学生の「希望するインターンシップ」や「活用している就職サイト」とは
今回の調査では、「コミュニケーション能力」がこちらも文系、理系ともに46%で、文系では2位に、理系では2位と僅差での3位になっています。文系は前年とポイントも変わりませんが、理系は前年の38%から8ポイントも伸び、順位も5位から3位に上がっています。文系の3位は「適応力」(42%)、4位は「目標達成指向」(37%)、5位は「考え抜く力」(28%)と続き、顔ぶれは前年と全く変わりません。理系の2位は「適応力」(47%)、4位は「目標達成指向」(41%)、5位は「論理的思考力」(33%)と続き、理系も上位の顔ぶれは前年と同じです。

文系と理系でポイントの差異が目立つのは、毎年のことながら「論理的思考力」(文系19%、理系33%)、「基礎的な学力」(文系14%、理系29%)、「専攻学問の専門知識」(文系4%、理系20%)の3項目。いずれも文系のポイントが低く、理系はその2~5倍ものポイントとなっています。それにしても、文系の「専攻学問の専門知識」の4%は酷(ひど)すぎます。入社試験・選考の内容や方法を変えない限り、このあたりの改善は期待できないということなのでしょうか。

半数の学生が4社以上のインターンシップに参加

ここからは、実際に就職活動の状況を見ていきましょう。まずは、もはや教育を目的とした就業体験というよりも、完全に就職活動のファーストステップと化しているインターンシップへの参加状況からです。「0社(応募をしていない)」と「0社(応募はした)」を合わせた、1社も参加していない学生は、文系、理系ともに18%と2割を割っています[図表4]。逆に言えば、8割以上の学生はなにがしかのインターンシップに参加しているということです。
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参加社数の分布を見てみると、最も多いのは「4~6社」で、文系の19%、理系では23%をも占めています。驚くべきは、次に多いのがいずれも「10社以上」ということです。文系、理系ともに19%を占めており、これらに「4~6社」と「7~9社」を合計した「4社以上」のインターンシップに参加した学生の割合は、文系で47%、理系で50%と半数に及ぶことになります。

過去の調査データを調べてみると、例えば、2018年卒業予定者を対象に実施した同時期調査では、「4社以上」のインターンシップに参加した学生の割合は、文系で30%、理系では今回の半分以下の24%でした[図表5]
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当時の調査では、「10社以上」への参加は例外的なものと考えられており、調査の選択肢は「4~6社」の次は「7社以上」しかありませんでした。「7社以上」は、今回の調査では「7~9社」と「10社以上」の合計になるわけですが、両調査の「7社以上」の割合を比較してみると、文系:2018年卒12%→2022年卒27%、理系:2018年卒8%→27%と大きく伸びています。インターンシップが、会社説明会やセミナーに置き換わっている様子がうかがえます。

インターンシップもオンライン型が主流に

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