メールも電話も基本的には受けるだけ
小澤 就活で企業の担当者とやり取りするときに、いろいろなコミュニケーションツールを使っていると思いますが、メールや電話ってあまり使いませんか?アラレ メールに関しては、基本的に受信しているだけ。スマホ上の通知は消したいので、開封はしますが、ほとんど見ません。返信が必要なものがあれば、探して打ち返す感じです。
鈴木 企業からメールが送られてきて、「これは返したほうがいいんだろうな」と思いつつ、返さなかったことってありますか?
アラレ たまにあります。面接やグループディスカッションなど慣らしておきたいので、練習のつもりでいろいろ受けています。その中には、志望度の低い企業もあるのですが、予想以上にうまくいってしまって「一次選考通過」の連絡をいただくことがあるんです。そういうときは申し訳ないんですけど、無視してしまいます。
小澤 基本的にメールが来たら受け取って、興味や必要があれば返すし、なければ無視って感じのようですね。ちなみに電話は使いますか? 突然企業からかかってきたら、びくっとしませんか?
サッチャン 企業の場合、番号を登録していないので、着信があったらとりあえず一回放置して、番号を調べて、連絡を取りたい会社には折り返します。
マツキ 僕も一緒ですね。電話番号が表示されても、どの会社かもわからないので、一回切れるまで待って、ネットで検索して、必要ならば折り返す。たまに、登録したことさえ忘れたような就活エージェントから電話がかかってくることがあるのですが、出ると長くなりそうなので、うかつに出ないように気をつけています。
ヒロ 僕はとりあえず電話には出て、話を聞いて、興味がなければその場で断ります。
アラレ えらい(笑)。
小澤 ヒロ君以外は基本的に電話に出ないで様子を見て、必要があれば返すといった感じかな。メールも企業から“受けるがまま”の人が多いようですね。
就活にLINEを活用――賛成? 反対?
小澤 僕も企業側で7年ほど採用をやってきて、メールなんて読んでもらえないんだろうなと思いつつも、「〇〇様 よろしくお願いいたします」なんてかしこまって送るのですが、やっぱりもうちょっと学生さんと距離を近づけたいな、何かいい方法はないかなって思うんです。そんな中、LINEが『LINE採用コネクト』という新卒採用向けの新しいクラウドサービスを企業に提供しているのですが、知っている人はいますか?鈴木 企業向けのサービスなので、知らないで当然だと思います。簡単に私から簡単に説明させていただくと、『LINE採用コネクト』とは、学生のほしい情報を、LINEでいつでも見やすい情報量で届けられる、新卒採用管理ツールです。学生の皆さんから見ると、普通にLINEを使っているのと何ら変わりはありません。例えば合同説明会などで企業と接点を持ったとき、QRコードを読み込んでくださいというところから関係がスタートします。その際、学生さんにとって良い点は、匿名で企業のアカウントと繋がれるところ。最初は匿名性が担保された状態でライトに繋がって、その中で企業から情報を受け取ったり、質問や会話をしたりして、気になる企業があったら名前を明かして次のフェーズに進めるという仕組みです。さらにその先のやり取りもLINE上で面接の日程調整などスムーズにできます。
小澤 ここでみんなにイメージしていただきたいのですが、普段当たり前のように使っているLINEを就活での企業とのコミュニケーションに使うことについて、率直にどう思いますか?
アラレ メールよりは楽そう。例えばある企業の説明会に行くときに、最初のメールに持ち物などが書いてあるじゃないですか。ところが前日に送られてくるリマインドメールには、詳細が書いていないことが多くて、結局1通目を探さなくちゃいけない。それって面倒ですよね。LINEだったら企業ごとのトークルームに必要な情報がまとまっているので、スクロールして戻るだけで確認できて、とても便利だと思います。
マツキ 就活中に一番面倒臭いと感じているのが、マイページを使わなければいけないこと。企業ごとにIDとパスワードを設定して、何をするにもいちいちログインしなければいけなくて、本当に面倒です。だからそれが解消できるのはいいと思います。
ヒロ 僕の場合、メールはパソコン、LINE はスマホと使い分けているので、LINEで情報が来れば、すぐに確認できるし、見忘れることもないと思います。でも企業からのLINEと友達からのLINEが混ざってしまうと、逆に使い勝手が悪くなるような気もします。
デホ 僕は大賛成です。実は以前から「就活でLINEを使えたらな」って思っていたんです。理由は普段から使っているので慣れていることと、親に伝えやすいということです。親との連絡もLINEを使っているので、同じアプリ上で「こういう企業に行ったよ」って気軽に報告できると思うんですよね。
コーシン 僕は、LINEはプライベートなやり取りだけに使いたいです。もし 、企業から送られてくるLINEとメールで文面が一緒なら、個人的にメールで就活の連絡がきたほうが、かしこまった印象を受けると思います。
小澤 就活にLINEを使うことに関して、ポジティブに感じる点はメールよりはやり取りが楽で、かつ遡りやすく、届いた瞬間に通知がくるから確認しやすいということですね。逆にネガティブに感じるのは、通知がたくさん届きすぎて友達との LINE が埋もれてしまう、就活とプライベートが曖昧になってしまうといった点でしょうか。
就活は学生目線のコミュニケーションが求められる
小澤 せっかく学生の皆さんに集まってもらったので、今回の座談会の記事を読んでくださる企業の採用担当者に向けて、今後就活がどうなって欲しいと思うか、リクエストや意見があれば聞かせてください。LINEの利用に関することはもちろん、それ以外の就活全般の話でもかまいません。マツキ 僕が受けた中には、LINEでやり取りした企業が2~3社あったのですが、学生に合わせてくれているような気がして、とても親近感がわきました。ただ、今後LINEを使う会社が増えてくると、通知がたくさん来て、使いづらくなるのかなって心配はあります。メールのように任意にフォルダ分けできると便利かもしれません。
鈴木 我々へのリクエスト、ありがとうございます。すぐにでも検討します。
サッチャン やり取りに関していうと、採用担当者のレスポンスをもっと早くしてほしいと思います。私が実際に受けたある企業では、2週間以内に連絡が来なければ不採用だという話だったのですが、13日後にようやく連絡が来たんです。もう落ちたと思っていたので、熱が冷めていました。待っている期間はそわそわしちゃうし、ダメだとわかればすぐに切り替えられたのに……。
小澤 働きたいと思っていた企業でも、それだけ待たされてしまうと、「もういいや」ってなりますよね。どうせやるならスピーディーにやってほしいと。
デホ 僕の場合、カジュアル面談がナゾでした。人となりを知るためだと聞かされたのですが、そもそも選考には関係なく、何のために実施したのかさっぱり理解できなかったんです。もちろん交通費もこちらの負担。もう少し学生の立場になって、納得のいく説明をしてほしかったですね。
アラレ インターンに応募した際にエントリーシートを書いたのですが、「あなたは抽選に落ちました」っていうメールが来たことがありました。抽選ってなんだよ!って。抽選ならエントリーシートは要らないと思うし、エントリーシートを使ったなら選考って言ってほしい!
小澤 カジュアル面談の件もインターンのエントリーシートの件も、この数年で特に増えた事例かもしれません。企業側は「他の企業がやっているからうちもやってみよう」ではなく、学生の立場になってお互いが納得のいくように考えないといけませんね。
ヒロ 企業から連絡がくるときに、例えば「エントリーがいつから始まります」といった連絡なら、LINEやTwitterで十分だと思います。
鈴木 今日は本当に参考になるような話がたくさん聞けました。就活のツールとしてLINEを使うことに賛成いただいた一方で、就活とプライベートが混ざり合ってしまうことへの不安も多くの方が持っていることが分かりました。そういった点をLINEとして改善していけば、より一層良い仕組みになるのではないかと感じています。ありがとうございました。
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