Vol.04

「NEXT HR」調査レポート・コラム

「人事不要論」は本当か?次世代型人事の在り方とは?〜人事アンケート調査結果から読み解く〜

ProFuture代表/HR総研所長 寺澤康介

「ガラパゴス」からグローバルスタンダードへ?

真のグローバル企業になれば、世界でビジネスを展開する中、日本はひとつのローカルエリアに過ぎなくなる。そこでは、これまでの「日本的人事」のやり方や発想は変えていかなければならない。その方向性のひとつとして、「将来推計含めデータの活用」(マスコミ・コンサル/300名以下)、「人事データの効果的な分析による施策効果の検証の徹底」(運輸・不動産・エネルギー/1,001名以上)というように、経験や勘ではなく、「データに基づく人事」へ変わる必要性を感じている企業は少なくないようだ。

「日本的人事」はどこへ向かうべきなのか。単純に欧米企業のグローバルスタンダードな人事をコピーすればよいというなら簡単だが、そうはいかない。解雇規制といった面で見ても、日本と海外とは大きく違うからである。大切なのは次のような視点だろう。

「ガラパゴス化して時代の変化に追随できず、効率的、効果的でない部分もあるので、確かに見直しは必要。だが、日本の文化、風土に沿った良い点もあるので、良い面は残しつつ変えていく必要があると考える」

(メーカー/1,001名以上)

日本企業が世界で勝っていくために、何を残し、何を変えればよいのか。自社にとっての答えを見つけることが、それぞれの企業の人事に求められている。

その第一歩は、個々のビジネス環境において、自社が取り組むべき課題に優先順位を付けることである。次回は、これから日本の企業が対応しなければならない重要事項は何なのかを、アンケート結果から探っていく。