株式会社ライボの調査機関である「Job総研」は、日本経済新聞社と連携して実施した「2023年・日本人の休み方実態調査」の結果を、2023年10月30日に発表した。調査期間は2023年8月24日~26日で、20代~50代の社会人の男女529名から回答を得ている。本調査から、現職での休暇取得の自由度や実際の取得率、罪悪感の有無とその理由などが明らかとなった。
“休むことに罪悪感”を持つ人は約4割、特に20代若手社員において顕著に。「同僚」や「時期」への配慮から取りづらい実態

休暇取得は8割以上が「自由に取れる」と回答。実際の取得も約7割に

働き方改革が進み、柔軟で多様な働き方も広がりを見せている一方、長期休暇の取得率は決して高くはないのが現状である。このような中、社会人は休暇を取得することに関して、どのような意識を抱いているのだろうか。

まずJob総研は、「現職での休暇取得における自由度」を尋ねた。すると、「とても自由に取れる」が22.1%、「自由に取れる」が28.2%、「どちらかと言えば自由に取れる」が34.2%で、合計84.5%が「自由に取れる」と回答した。

そこで、「実際に連休が取れているのか」を聞いたところ、合計69.7%が「取れている」(とても取れている:10.8%、取れている:27.4%、どちらかといえば取れている:31.5%)としたものの、残りの30.3%は連休が取れていないことがわかった。
現職での休暇取得における自由度/連休は取れているか

約4割が休暇取得のタイミングを「周りに合わせる」。合わせる相手は「同僚」が最多に

続いて、同社が「休暇取得のタイミングを周りに合わせるか」を尋ねた。すると、「合わせる」が40.6%で最多となり、以下、「合わせない」(31.8%)、「どちらでもない」(27.6%)と続いた。

そこで、休暇取得のタイミングを「合わせる」とした回答者に「合わせる相手」を聞くと、「同僚」が52.6%で最も多かった。以下、「上司」(48.8%)、「先輩」(35.8%)、「部下」(22.3%)、「後輩」(13.5%)となった。
休暇取得のタイミングを周りに合わせるか/誰に合わせることが多いか

4割程度が休むことに「罪悪感あり」、20代が最も実感か

次に同社は、「休むことに対する罪悪感の有無」を尋ねた。すると、「とてもある」が3.2%、「ある」が8.3%、「どちらかといえばある」が26.8%で、合計38.3%が「罪悪感がある」と回答した。

あわせて、休むことへの罪悪感が「ある」とした回答者を年代別にまとめたところ、「20代」が44.3%で最多だった。以下は、「50代」(38.6%)、「30代」(35.8%)、「40代」(32.8%)となった。
休むことに罪悪感はあるか

罪悪感の理由は「迷惑をかけるから」が最多。特に取りづらい時期は「繁忙期」

最後に同社が、休むことへの罪悪感が「ある」とした回答者に対して「その理由」を聞くと、「同僚に迷惑をかけるから」が51.2%で最も多かった。以下、「同僚が働いているから」(37.4%)、「上司に迷惑をかけるから」(31%)、「上司が働いているから」(29.1%)、「顧客に迷惑をかけるから」(19.7%)と続いた。

そこで、「休みづらい場面」を聞くと、最も多い回答は「繁忙期」(65%)となった。続いて、「仕事が溜まっている時」(58.6%)、「自分以外に担当できない業務がある時」(48.8%)、「自分以外が休暇を取得している時」(38.4%)、「病欠の人が出た時」(32.5%)だった。

また、自由回答では、「休暇取得するために残業などをする必要があり、休みを取っても顧客対応などで気持ちが休まらない」、「休暇は自由だが、休む分仕事が溜まるので、長期休暇は取らないようにしている」といったコメントが見られたという。
休むことに罪悪感を感じる理由/休みにくいと思う場面
本調査結果から、8割が現職で休暇を取得しやすい環境にあり、約7割が連休取得もできていることがわかった。一方で、休暇を取得することに対し、罪悪感を抱く人が約4割いることも示された。近年は人材不足の影響によって休みを取りづらい環境が生まれやすくなっており、それが周囲への配慮や罪悪感につながっていると考えられる。社員が十分にリフレッシュして仕事に取り組めるよう、企業には「従業員が休暇を取得しやすい環境」の整備が求められるだろう。

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