株式会社カルチャリア(以下、カルチャリア)は2022年2月2日、「転職における心理的安全性」の実態調査の結果を発表した。調査期間は2022年1月24日~26日で、転職後1年以内の会社員107名から回答を得た。これにより、転職後間もないビジネスパーソンが感じている、前職における職場の心理的安全性の状況や、心理的安全性と転職意識との関係などが明らかとなった。
8割以上の転職者が、職場を選ぶ上で「心理的安全性を重視する」と回答。人材確保における「心理的安全性」の重要性とは

4割以上の転職者が「前職では、スタッフ同士がオープンに話すことができる雰囲気がなかった」と感じている

転職の意識と職場の「心理的安全性」は、どのように関係しているのだろうか。

まず、カルチャリアは「前職で所属していた事業部では、役職に関係なくスタッフ同士が正直・オープン・率直に話せる雰囲気があったか」と質問している。すると、「かなりそう思う」が22.4%、「ややそう思う」が34.6%と、「そう思う」とした回答が57%を占めた。一方で、「あまりそう思わない」が28%、「全くそう思わない」が15%と、合わせて43%が「前職で所属していた事業部では、スタッフ同士がオープンに話せる雰囲気がなかった」と感じていることがわかった。
8割以上の転職者が、職場を選ぶ上で「心理的安全性を重視する」と回答。人材確保における「心理的安全性」の重要性とは

5割近くの転職者が「前職では多様な考え方や視点が推奨されていなかった」と回答

続いて同社が「前職で所属していた事業部では、多様な考え方や視点が推奨されていたと思うか」と尋ねたところ、「かなりそう思う」が16.8%、「ややそう思う」が34.6%となり、「そう思う」とした回答は合計51.4%で、半数をやや上回る結果だった。しかし、「あまりそう思わない」が35.5%、「全くそう思わない」が13.1%と、「前職では多様な視点や考え方が推奨されていなかった」との回答も合計48.6%に上った。
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6割近くの転職者が「前職では、上司・部下同士で込み入った話ができなかった」と回答

また、「前職で所属していた事業部では、上司や部下同士で、デリケートなテーマに関するフィードバックや込み入った話ができたか」という質問については、「あまりそう思わない」が37.4%、「全くそう思わない」が21.5%で、「上司や部下同士で込み入った話ができなかった」と感じる人が合計58.9%と6割に迫った。一方、「かなりそう思う」(14%)と「ややそう思う」(27.1%)を合わせて「上司や部下同士で込み入った話ができていた」と回答したのは41.1%だった。
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5割超が「前職では上司・部下がお互いの弱い面を受け入れあうことができていなかった」と回答

さらに、「前職で所属していた事業部では、上司や部下同士がお互いの弱い一面を見せ、受け入れ合うことができていたか」との質問に対しては、「あまりそう思わない」が34.6%、「全くそう思わない」が20.6%となり、合計55.2%と過半数の転職者が「上司・部下がお互いの弱い面を受け入れられていなかった」と感じていることがわかった。
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6割近くが、前職で「心理的安全性を上げる取り組みはなかった」と回答

続いて同社が、「前職の所属部署では、心理的安全性を上げる取り組みを行っていたか」と尋ねると、「積極的に取り組んでいた」は9.4%、「やや取り組んでいた」は33.6%となり、「取り組みを実施していた」とした人は合計43%と、半数以下にとどまった。一方で、「あまり取り組んでいなかった」が33.6%、「一切取り組んでいなかった」が23.4%と、合わせて57%が「前職では、心理的安全性を高めるための十分な取り組みがなかった」と感じていることが判明した。
8割以上の転職者が、職場を選ぶ上で「心理的安全性を重視する」と回答。人材確保における「心理的安全性」の重要性とは

8割超が、職場を選ぶ上で「心理的安全性」を重要視

加えて同社は「職場を選ぶ上で、心理的安全性をどの程度重要視するか」を尋ねている。すると「非常に重要視する」が31.8%、「やや重要視する」が51.4%と、合計83.2%もの人が、職場選びにおいて「心理的安全性」を重視していることがわかった。
8割以上の転職者が、職場を選ぶ上で「心理的安全性を重視する」と回答。人材確保における「心理的安全性」の重要性とは
各設問の結果から、前職で「高い心理的安全性」を感じていた転職者は多くないことが推測できる。また、転職先を選ぶ条件として「心理的安全性」の重要度が極めて高まっていることが示された。人材を「資本」と捉え、その価値を最大限に引き出す「人的資本経営」が重要視される今後の経営においては、上司と部下、また従業員全体の信頼関係を構築するための取り組みが必須といえるだろう。

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