ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下、ルネサス)は2021年6月21日、ダイバーシティ&インクルージョン(以下、D&I)推進に向けた取り組みとして、配偶者の定義を見直し、人事制度の一部を改定したと発表した。同改定では、事実上婚姻と同様の関係にあるパートナーについては、異性・同性を問わず配偶者に含めることを明記している。これにより、出産・育児等各種休暇や家賃補助・弔事等支給金の適用対象が拡大された。
ダイバーシティ&インクルージョン推進に向け同性パートナーも配偶者と認定。LGBTQ+に関する取り組みも、ルネサス

配偶者の定義を見直したほか、LGBTQ+当事者の権利を守る取り組みを開始

ルネサスでは、かねてより世界中の従業員一人ひとりの個性および成長意欲を尊重し、個々の能力を最大限に発揮できる企業風土づくりに努めてきた。そのためには「性別」、「国籍」、「性的指向」、「性自認」、「障がいの有無」、「年齢」など、あらゆる違いを持つ従業員同士が、差別や偏見なく認め合うD&Iを、組織の土台として根づかせることが重要だと考えている。そこで同社では、D&Iをグローバルに推進するため、各拠点の従業員有志約120名から構成される「ダイバーシティ推進グループ」を、2021年6月に設置。同グループでは、D&Iに関する方針および取り組みを策定、各地域で推進している。

この一環として、同社は「配偶者の定義見直し」に関する人事制度の改定を実施。この改定により、事実上の婚姻関係と同等の関係にあるパートナーおよびその家族は、性別を問わず、結婚・出産・育児・介護といった各種休暇と、家賃補助、赴任手当、弔事等の支給金の適用対象となる。また、LGBTQ+に関連する取り組みとして、「相談窓口の設置」、「自認する性に基づくビジネスネームの使用許可」、「自認する性での勤務配慮」、「性の多様性に関する勤務ガイドライン適用」についても、今回の改定と同時に開始した。

これらの制度およびLGBTQ+当事者の権利を尊重する施策は、現在日本国内でのみ適用されているが、今後、世界各地の法制度や情勢に鑑みながら、各国や地域で実施していく考えだ。こうした活動を通じて、今後もLGBTQ+のみならず、あらゆる多様性を認め、受容しあうD&Iの取り組みを推進していくという。

D&Iを推進する動きはグローバル規模で活発化しており、多様性を尊重しあう文化が今後のスタンダードになっていくだろう。従業員の多様性を尊重する風土を作っていくことが、企業の存続にもつながるのかもしれない。

この記事にリアクションをお願いします!