長きに渡る「障がい者雇用」推進の歴史を経て、ビルメンテナンス業務での雇用をスタート
コクヨは、2022年にマテリアリティの見直しを行い、自社の重点課題の一つとして「社内外のWell‐being」を掲げている。また再設定したマテリアリティに関して、2030年に向けたKPIを設定。その実現に向け、障がいの有無や性別、国籍を問わず多様な人材が働ける環境整備を進めているという。そうした中で社会においては、2024年4月に「障害者雇用促進法」が改正され、障がい者の法定雇用率が「2.5%」まで引き上げられた。さらに、2026年には「2.7%」に引き上げられることから、同社は「障がい者の活躍の場を作ることは急務となっている」と考えているようだ。
なお、同社は1940年より障がい者雇用を実施しており、2003年には特例子会社としてコクヨKハート株式会社を設立。その後、2023年にはコクヨ大阪本社1階にダイバーシティオフィス「HOWS PARK(ハウズ パーク)」をオープンし、コクヨ株式会社とグループ会社であるコクヨKハート株式会社の協創の拠点とするなど、健常者と障がい者の垣根を超えた連携を強めてきたとのことだ。そして2023年10月には、それまで大阪での雇用が中心だったコクヨKハートの拠点を新たに東京に設置している。
こうした取り組みを経て今般、2024年10月より、安全性と快適性の維持を担うビルメンテナンス業務での障がい者雇用のスタートをもって、コクヨKハート東京統括部の稼働開始に至ったという。
なお、同社はコクヨKハート東京統括部の事業のスタートに伴い、スタッフ専用のユニフォームをファッションブランド「SOLIT!」と共同開発。専用ユニフォームは、企画段階から当事者=ユニフォーム着用者を巻き込んだインクルーシブデザインを用いており、障がいの有無にかかわらず着用しやすい工夫が詰め込まれているとのことだ。
ファッションブランド「SOLIT!」との共同開発ユニフォーム