日本人女性はアンビシャス(自身の私生活やキャリアに向上心を持つこと)に悲観的
アメリカン・エキスプレスでは、アメリカ、オーストラリア、カナダ、フランス、インド、ドイツ、イタリア、日本、メキシコ、イギリスの世界10ヵ国の女性3,026名を対象に、「アンビシャス・インサイト」調査を行った(調査期間は2020年1月10日~16日)。調査では、まず「アンビシャス(自身の私生活やキャリアに向上心を持つこと)について、どう感じているか」を尋ねた。すると、「非常に重要だと思う」との回答は全体で59%となり、約6割を占める結果に。国別に見ると、インドの89%、メキシコの82%、アメリカの68%などが高かったが、日本は28%と10ヵ国中最下位だった。
また、「キャリアにおいてのアンビシャス」、「私生活においてのアンビシャス」でも日本はほぼ全ての項目で最下位となり、日本女性は世界と比較して非常に悲観的であることが明らかとなった。
アメリカン・エキスプレスは、取り組みを経て「性別に捉われずに活躍できる場」へ
同社は従来から、多様性を尊重し、性別・年齢・人種・性的指向などの違いに関わらず「全ての社員が自分らしく働ける企業文化」を目指してきたという。そこで今回の調査結果を受け、ダイバーシティー&インクルージョン領域において、世界のグループ企業でさまざまな項目の見直しを実施。女性一人ひとりが「アンビション(向上心)」を持ち、誇りをもてる文化や地域、国を作っていけるよう、以下の3つの項目に取り組んでいくとしている。1.性別における賃金格差の是正
同社では「全社員が同じ労働において平等な賃金を受けるべき」という考えのもと、賃金格差に関する継続的な調査を実施。日本を含む世界中の社員において、「業種」や「役職」単位での賃金平等を達成したという。アンコンシャス・バイアス(無意識な偏見)に関するトレーニングの実施や、意図せず生じている賃金格差の見直しにより、誰もが平等に評価される仕組みづくりに取り組む。
2.社内文化の形成
通年、女性社員のネットワーク「Women's Interest Group(WIN)」を中心に「キャリア開発」、「ウェルビーイング(心身の健康)」、「メンター制度」などの活動を通じ、「ボトムアップで女性が活躍できる企業文化づくり」を今後も実施する。
3.女性のリーダーシップ育成
日本のアメリカン・エキスプレスは、女性管理職比率が30%を超えている。同社はリーダー育成のプログラムを多く有しており、「キャリアは自分で作っていく(Own my career)」という考えのもと、積極的に女性リーダーが活躍してきた。現在女性比率の少ない営業職では、女性に特化したセミナーの開催や身近なロールモデルづくりを行い、悩みを共有する場を設けるなど、各部署の課題に合った取り組みを行っていく。
日本でも男女間の平等性が謳われ、女性の社会進出は徐々に増えつつある。今後もより性別問わず活躍できる場を創り出していけるよう、企業による社内文化の形成がますます重要となるかもしれない。