株式会社リコーは2020年11月11日、企業の役員に占める女性の割合を向上させるキャンペーン「30% Club Japan」に加盟すると発表した。まずは2030年までの同社役員に占める女性比率を約1割向上させ、18%を目指すという。これに向け、経営者自らが主体的にダイバーシティへの取り組みを推進していく考えだ。
経営者が主体的に女性活躍を推進。リコーが企業の女性役員比率向上を目指す「30% Club Japan」に加盟

ESC目標に「ダイバーシティ&インクルージョン」を定める

企業役員に占める女性割合の向上を目的に、2010年に英国で開始されたキャンペーン「30% Club」。参加する企業経営者たちは、ビジネスにおける喫緊の課題として「ジェンダー」を取り上げ、同キャンペーンはこれまで15の国や地域で展開されてきたという。その後は日本にも波及し、活動母体となる「30% Club Japan」が、2019年5月に発足された。取締役会やマネージャーチームなど、企業の意思決定機関における健全なジェンダーバランスは、企業のガバナンス強化、持続的成長の促進、国際的競争力の向上、さらに持続可能な日本社会の構築に寄与すると考察。企業役員の女性割合を、2020年に10%、2030年に30%にすると目標を掲げ、活動を展開しているという。

一方、リコーではこれまで「ダイバーシティ」と「ワークライフ・マネジメント」を経営戦略のひとつに位置付け、さまざまな取り組みを実施している。その一環として、2020年度からは経営基盤の強化にあたるべく、重要課題のひとつに「ダイバーシティ&インクルージョン」を設定。ESG目標と定め、働き方改革やキャリアサポートを中心とした取り組みの強化に務めている。

同社は今回、経営戦略と30% Clubの考え方が一致しているとして、キャンペーンへの加盟を決定。今後はあらゆる場面において女性の活躍の幅を広げるべく、2030年までに役員の女性比率を現状の9.8%から18%まで引き上げるとのこと。ダイバーシティの推進や、社員一人ひとりが活躍できる企業風土に向けて取り組みを加速することで、2036年ビジョンとして掲げる「“はたらく”に歓びを」の実現を目指すという。

新型コロナウイルス感染症や働き方改革によって、ニューノーマルな働き方が求められるなか、役員として活躍を目指す女性もいるだろう。性別に偏見を持たずに役員選定を行うことが、あらゆる人材の「働きやすさ」や「一人ひとりのニーズ」につながるのではないだろうか。

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