「LGBTの権利擁護はビジネスにも有益」と表明
世界でLGBT(性的少数者)に対する差別を禁止する法律の整備や、企業におけるダイバーシティ経営が進むなか、楽天は企業理念である「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」のもと、企業戦略のひとつの柱として「ダイバーシティ&インクルージョン」(以下、D&I)に対する取り組みを実施。一人ひとり違った個性と価値観、才能を持つ従業員が、お互いに自分らしく働くことができる環境の整備を進めてきた。就業規則の「人事基本理念」においては、70以上の国や地域の多様なバックグラウンドを持つ従業員25,000人以上に対し、「人種・性別・信仰・婚姻歴・子女の有無・宗教や政治思想・年齢・性的指向・性自認などによって差別しない」ことを規定。また、顧客やビジネスパートナー等に対しても、一人ひとりの個性・価値観が尊重されるサービスの提供に努めている。今回、理解増進法案が各政党で検討されてはいるものの、未だ国会への提出がされていない状況を受けて、楽天は同法案の制定を目指す「ビジネスによるLGBT平等サポート宣言」への賛同を表明した。 同法案の制定は、楽天が取り組む「D&Iの推進」と、「あらゆる人々が差別のない社会で安心して暮らし、活躍できる社会づくり」および、「日本のイノベーション力・国際競争力の向上」にとって必要不可欠なものであるとの見方を示した。
なお今回の発表にあたり、同グループ代表取締役会長 兼 社長の三木谷浩史氏は、「あらゆる人々が差別されないという基本的人権の尊重は、社会の発展の根幹をなすものであり、この考え方は世界の潮流です。世界に誇れるイノベーション豊かな日本の実現のためにも、与野党の枠を超えて全力を尽くしていただきたいと願っています」とのコメントを寄せている。
世界規模でD&Iに対する人々の意識変容が進む中、日本においても同法案の制定に注目が集まっている。D&Iに向けた取り組みを推進していくことは、企業にとっても今後ますます重要な視点となっていくだろう。