適用される社内規則や制度は、結婚や忌引時における休暇関連や家族手当を支給する手当関連、また慶弔見舞金などの福利厚生関連だ。異性と事実婚関係にある社員や同性パートナーがいる社員は、これにより異性婚と概ね同等の処遇を受けられることになる。
2006年、積水ハウスグループは人事基本方針として「女性活躍の推進」「多様な働き方、ワーク・ライフ・バランスの推進」「多様な人材の活用」を3つの柱とする「人材サステナビリティ」を宣言した。従業員と企業がともに持続して成長を図れる環境作りに注力しており、「『わが家』を世界一幸せな場所にする」というビジョンを掲げている。
「顧客に幸せを提供する従業員も幸せであるべき」という考えのもと、これまでにも女性従業員の活躍を推進する制度や、男性従業員に対する特別育児休業制度「イクメン休業」などの制度改革にも積極的に取り組んできた。今回の人事制度を新設するにあたっては、LGBTなどの性的マイノリティに関する社内研修などを行い、理解醸成にも努めたと言う。
家族の在り方が多様化している中、性的指向や性自認に関わらず、誰もが自分らしく生き、安心して働ける社会と組織の実現を目指していくことが、今後すべての企業に求められるだろう。