第9回 HRテクノロジー大賞『大賞』
株式会社デンソー
生成AIレコメンデーション技術活用による若手社員のオンボーディング強化
生成AIとデータ分析を活用して若手社員約300人のキャリア状態を可視化し、個人の状況に応じて個別化されたアクションを提案する取組み。人事とAIが協働することで、提案の精度向上と業務効率化を両立。AIが作成した提案を担当者が吟味し、最終的には人間が判断するというプロセスにより、短時間で社員個人への提案作成を実現。若手社員の成長と活躍を支援するとともに、人間性と先進性が共存する新しい人事の在り方を示した優れた取組みであると高く評価されました。プロフィール
田村 元 氏
株式会社デンソー
人事企画部/制度企画室長
2001年、株式会社デンソー入社。入社後は本社人事で戦略企画・タレントマネジメント・労務等を幅広く担当。2010年より米国現地法人に駐在、経営と人財の現地化を推進。2018年より中国事業推進部門へ異動、地域の経営改革を経験。2021年から現職。人と組織のビジョンPROGRESSを策定し、全社の人財・組織改革を推進中。
中村 里美 氏
株式会社デンソー
人財・組織開発室/人財・組織開発2課/担当係長
1997年、株式会社デンソー入社。入社後、製造部向け技能研修の研修事務局、技術研修の運営企画など複数分野の社内教育を担当。2021年より現職。階層別教育、世代に応じたキャリアデザイン研修などの研修企画を担当。デジタルツールを活用した経験学習の促進にも取り組んでいる。
岩本 隆 氏
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授
東京大学工学部金属工学科卒業。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院工学・応用科学研究科材料学・材料工学専攻Ph.D.。日本モトローラ株式会社、日本ルーセント・テクノロジー株式会社、ノキア・ジャパン株式会社、株式会社ドリームインキュベータを経て、2012年6月より2022年3月まで慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)特任教授。KBSでは産学連携による「産業プロデュース論」「ビジネスプロデュース論」などの研究を実施。2023年4月より慶應義塾大学大学院経営管理研究科講師。2018年9月より2023年3月まで山形大学学術研究院産学連携教授。山形大学では文部科学省地域イノベーション・エコシステム形成プログラムの事業プロデューサーとして山形地域の事業プロデュースを統括。2023年4月より山形大学学術研究院客員教授。2022年12月より慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科では「SFC地域イノベーション共同研究」に従事。

若手社員の成長と活躍を最大化する“キャリア自律”支援
~人事と生成AIの“協働”の実践を目指して~
【講演】株式会社デンソー 人事企画部/制度企画室長 田村 元氏
株式会社デンソー 人財・組織開発室/人財・組織開発2課/担当係長 中村 里美氏
人財・組織改革の根底にある「PROGRESS」というビジョン
田村氏:本日は「キャリア自律支援」に関する弊社の取り組みについてお話させていただきます。私どもデンソーは、自動車部品のメーカーとしてグローバルに事業を展開しております。現在、モビリティ業界が電動化をはじめとする100年に1度の変革期に直面する中、環境・安心の分野で、カーボンニュートラルおよび交通事故死者ゼロという究極のゼロを目指し、「人と社会の幸せに貢献する」ことを会社のパーパスと位置付けて経営を行っております。そして、これらを実現するのは、他でもない、デンソーで働くすべての社員とチームの実現力です。そうした中、弊社では2021年に「PROGRESS」という名称にて、人財・組織改革に関するビジョンを社内展開いたしました。この言葉には、「私たちは世界の新しい“できる”を実現し、人と社会にインパクトのある価値を届ける――そんな実現力のプロフェッショナル集団を目指して、今後も進化・挑戦し続けよう」という想いが込められています。人は「情熱で自己新記録に挑むプロ」であり、組織は「多彩なプロが出会い共創する舞台」であり、それが提供価値(人と社会の幸せのために新しい“できる”を実現)に繋がるというわけです。

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この後、下記のトピックで、講演録が続きます。
●なぜ「キャリア自律」の取り組みを始めたのか
●若手社員の成長と活躍支援にどう取り組んでいくか
●人事と生成AIはどう協働していくべきか