第9回 HRテクノロジー大賞『人事マネジメント部門優秀賞』
株式会社セプテーニ・ホールディングス
次世代の就業観と向き合い柔軟な働き方と育成の両立を目指す、リモート人材育成PJ
次世代の就業観に対応し、リモートワーク環境下での新入社員育成に取り組むセプテーニグループ内の先進的プロジェクト。社会心理学者との実証研究に基づき、個性データを活用した相性配属、ピアレビュー、キャリアアドバイザーの伴走を通じて、柔軟な働き方と効果的な育成を両立。新卒1~2年目社員の活躍度向上と離職率低下を実現。組織との相性やフィードバック数に着目し、リモート環境での育成効果を検証。人材育成の負担軽減に寄与する優れた取り組みであると高く評価されました。プロフィール
石井 麻美 氏
Septeni Japan株式会社
HRビジネスパートナー部 (エキスパート職)
2008年入社。営業・営業推進を経て、現在はHRBPにて中途採用・オンボーディング・キャリア支援に従事。事業成長の加速に向け、多様なHRデータを活用し、一人ひとりの長期的な成長とキャリア形成を支援する仕組みの企画立案・運営を行っている。
西田 あいび 氏
Septeni Japan株式会社
HRビジネスパートナー部 (エキスパート職)
2007年入社。クリエイティブディレクターを経て、現在はHRBPにて中途採用・オンボーディング・キャリア支援に従事。多様なHRデータを、現場が活用しやすいアドバイスへ変換し、デリバリーする仕組み構築・企画立案を行っている。
菅 文哉 氏
株式会社セプテーニ・ホールディングス
人的資産研究所 課長
2017年入社。新卒採用を担当したのちに、採用・育成・配置の分野においてアナリティクスの技術支援を行うグループ内の研究機関である人的資産研究所に異動。HRデータを活用した研究や支援に取り組んでいる。

課題に対応するためにデータを活用
――まずは今回のリモート人材育成プロジェクトに関する取り組みの概要からお聞かせください。西田氏:コロナ禍収束後、これまでリモートワークを進めてきた多くの企業が人材育成やマネジメント上の弊害に直面し、徐々にオフィス回帰の動きを強めてきました。一方で、Z世代を中心とした若い人たちは働く時間や場所に自由度を望むと同時に、自身が成長できる環境を就業先に求める傾向が見られます。本プロジェクトでは、こうした一見両立が難しいリモートワーク環境下での新入社員育成に対し、HRデータの活用と検証を通じて実践に取り組んでいます。
――御社もリモートワーク下において人材育成の課題に直面されていたのでしょうか。
石井氏:そうですね。当社はコロナ禍以降、全社員を対象にリモートワークを導入しており、リモート環境下で入社1~2年目の新入社員の育成に取り組んでいます。しかし、もともと人材育成はOJTが中心だったため、リモートワークになって以降、「関係性が築きづらい」、「対面で接しないと新人の状態が見えない」といった声が相次ぎました。また、そうした障壁も影響してか、一時的に離職率が高まった時期もありました。そのため、直接的に対峙できないことで把握しづらくなる社員の情報をデータによって補完しながら、きちんとマネジメントができる体制や仕組みを整えようと、今回のプロジェクトに取り掛かりました。コロナ禍以前もデータを活用した人材育成には取り組んでいたのですが、“リモート人材の育成”によりフォーカスした形で、新入社員の組織への順応・定着支援を進めています。

菅氏:はい。データを使って人の成長や活躍の再現性を高められないかと考え、実は以前からデータ分析を通じた人事施策には取り組んできたのですが、コロナ禍をきっかけに、リモート環境下での新入社員の適応施策としてさらに強化することとなりました。そうした中、当社と提携する社会心理学者の方と実証研究を行ったところ、新入社員の活躍には「組織との相性」、「能力の発揮度」、「フィードバックの数」などが関連していることがわかり、これに基づいた育成施策を開発したという経緯です。

出所:セプテーニ・ホールディングス
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