「正解」が存在せず、これまでの常識や成功法則が通用しない「ノーノーマル時代」。こうした時代に求められるリーダーシップとは何か――。本書は、人事・組織変革分野で数多くの実績を持つエキスパート・山本紳也氏が30年にわたる経験と最新の知見をもとに、その答えを示した実践的な一冊だ。

現代のリーダーの役割は「正解」を与えることではなく、チームが自ら考え、自律的に行動できる環境を整えること。そのためにも、組織のパーパス(存在意義)を明確にし、多様な価値観や意見を尊重し、心理的安全性を高めることが不可欠である。しかし、日本企業では心理的安全性が根付かず、多様性や異論を受け入れられないままのところも多い。それゆえ、過去の常識や雰囲気を断ち切り、参加者全員が真剣に活き活きと働ける場をつくることのできるリーダーシップが今こそ求められている。

そこで、本書は、改革を推進できる人材に求められる【10のリーダーシップコンピテンシー】:「好奇心」「多様性の受容」「謙虚さ」「傾聴」「倫理観」「公平性」「透明性」「適応性」「俊敏性」「ビジョナリー」を提示する。各コンピテンシーについて、理論的背景だけでなく、実際の企業事例や現場で活かせる具体的なスキルまで詳述する。例えば、「好奇心」では新たなビジネス創出につながる視点、「多様性の受容」ではDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の本質と実践方法、「透明性」ではコロナ禍で浮き彫りになった情報共有の重要性など……。

リーダーが直面する“現代のリアルな課題”を解決する考え方が身につくヒントも満載だ。組織と個人が共に成長し、「働きがい」のある職場を実現する上で、本書は経営者、人事、そして未来志向のビジネスリーダーだけでなく、全ての働く人々(年代を問わない)にとって必読の教科書となっている。

【書籍情報】
書籍名:ノーノーマル時代を生き抜く リーダーシップの教科書
発売出版社:クロスメディア・パブリッシング
書籍発売日:2025年3月21日
『ノーノーマル時代を生き抜く リーダーシップの教科書』山本紳也 (著)(クロスメディア・パブリッシング)

▼内容紹介

正解のない時代にチームを創る10のコンピテンシー


私たちは、もはや「常識」が通用しない「ノーノーマル時代」を生きています。「ノーノーマル時代」を生きるリーダーに求められるのは、目的(パーパス)の明確化、多様な意見の尊重、心理的安全性の確保です。本書は、パーパス経営や人的資本経営、DE&Iを実践に活かしながら、「働きがい」を生む現場づくりの秘訣を解説します。予測不能な時代に対応するリーダーシップの本質を追求し、組織や個人が成長するための方法を提案。すべてのビジネスリーダーに贈る、実践的な教科書です。(出版社ホームページより)

▼目次

CHAPTER1 ノーノーマル時代に求められる組織
業績のいい会社の社員は元気がいい
心理的安全性を高める
心理的安全性が高い職場をつくるには
心理的安全性がなかなか根付かない日本の組織文化
ウォーミングアップ 多様性視点の練習

CHAPTER2 ノーノーマル時代における10のリーダーシップコンピテンシー
オーセンティックリーダー
10のコンピテンシー

CHAPTER3 コンピテンシー① 好奇心/Curiosity
好奇心がすべての入口
好奇心から生まれたビジネス
好奇心をどう開発するか
コラム1 リーダーが場をつくる

CHAPTER4 コンピテンシー② 多様性の受容/Diversity,Equity&Inclusion
DE&Iって何?なぜ必要?本当に必要?
ビジネスにおけるDE&Iの事例
世代間のダイバーシティ
日常生活のDE&I
エクイティ/Equityとは何か
多様性を受け入れる姿勢の身につけ方
組織で多様性を考えて議論する
多様性のある企業で働くということ
コラム2 異論を受け入れられない日本人

CHAPTER5 コンピテンシー③ 謙虚さ/Humble
謙虚さがなぜ必要なのか
謙虚な上司
「もうやったことがある」
謙虚さを身につける

CHAPTER6 コンピテンシー④ 傾聴/Active Listening
傾聴力で情報が自ずと集まる
傾聴のスキル
傾聴時の三原則
人を育てる傾聴
コラム3 聴くことで伝えるリーダー

CHAPTER7 コンピテンシー⑤ 倫理観/Ethical
今、倫理観を重視する理由
若者の倫理観についていけるのか
倫理観には多数の正解がある

CHAPTER8 コンピテンシー⑥ 公平性/Fairness
重要だが難しい公平性
人事評価の公平性
公平(Fair)と平等(Equal)の違い
公平性理論
「公平に扱われている」と思われる状態をつくる
アンコンシャスバイアス
職場における公平性をいかに保つか

CHAPTER9 コンピテンシー⑦ 透明性/Transparency
トランスペアレントな会社
トランスペアレントなリーダー
トランスペアレントでない日本の会社
トランスペアレントな個人
日本人は冷たい?
まずは自分から
コロナ禍でわかった透明性の重要度
コラム4 若者が働きたい会社

CHAPTER10 コンピテンシー⑧ 適応性/Adaptability
硬直性から適応性へ
適応性を身につける
この世に行き残る種とは

CHAPTER11 コンピテンシー⑨ 俊敏性/Agility
将来が見えず目標を定められない世の中
朝令暮改上等
石橋を叩く前に渡ってみる、Fail Fast
アジャイルとサンクコストの話
コラム5 目の当たりにした「日本人」

CHAPTER12 コンピテンシー⑩ ビジョナリー/Visionary
ビジョナリーとは、圧倒的な強い想いと信念
ビジョンを語る部長と他人ごとを語る部長
「自分のビジョン」を語る
ノーノーマル時代だから求められるビジョン
今までに出会ったビジョナリーリーダー
シンプルに「あなたは何がしたいのか?」
コラム6 ジョブ型から考えるグローバルリーダー

CHAPTER13 優しく厳しいリーダーを目指して
ビジネスは厳しいもの
ビジネスの場で求められるリーダー

おわりに ~笑顔が絶えず、成長し続ける組織を目指して~

▼著者プロフィール

【山本 紳也(やまもと しんや)】
株式会社HRファーブラ 代表取締役
慶應義塾大学理工学部管理工学科卒、イリノイ大学経営学修士課程終了(MBA)。プライスウォーターハウスクーパースジャパンにおいてパートナーとして人事・チェンジマネジメント部門をリード。組織・人財マネジメント戦略に関わるコンサルティングに30年間従事。ビジネス戦略達成のための組織・人財マネジメント、考える組織の開発、グローバル化時代のリーダー開発、M&Aにおける人事サポートなどに経験豊富で、活力とイノベーションの生まれる組織と個の新しい関係を生涯の研究テーマとする。著書に、『ジョブ型vsメンバーシップ型』(共著、中央経済社)、『外国人と働いて結果をだす人の条件』(幻冬舎)、『人事の本気が会社を変える』(経営書院)、『新任マネジャーの行動学』(経団連出版)などがある。その他、組織人事に関わる論文・講演は、国内外において多数。
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