連載「人事大解剖~他社の人事のリアルを知る~」は、リレーインタビュー形式で、業務において大事にしている考えや日常の悩み、気になっているHRのキーワードなどを紐解きながら、人事のリアルに迫っていく。正解がないと言われる時代だからこそ、多くの人事の視点や考えを通じて、業務や課題解決のヒントをお届けする。人事リレーの輪4人目はポラス株式会社で人事責任者を務める、人事部長 石田 茂氏が登場。同社は埼玉を中心に地域密着を掲げる総合住宅メーカーとして、長年に渡って徹底した顧客満足の追求で「住まいの価値」を創造し続けている。本記事では、グループ約4500名の従業員を支え、ポラスで約28年人事一筋の石田氏が語る人事として大事にしている考え方やチャレンジしている施策のほか、オススメの人事関連書籍などをお届けする。
※下部の「目次」より気になる項目がありましたら、ぜひそちらからも参照のうえご覧ください。
人事施策は社員への告白ではなく、プロポーズ――ポラス 石田 茂氏【人事リレーの輪4人目】

Q1:これまでのキャリアは?

【人事リレーの輪4人目】
ポラス株式会社 人事部長 石田 茂氏



私は新卒から当社で約28年、人事をやっています。人事一筋の経歴で、最初は新卒の採用チームに配属され、キャリアがスタートしました。そこからポジションとしては、2008年に人材開発課長、その後2010年に人事実務全般の指揮を担う人事課長。2013年にグループの人事全体を統括する人事部長の役職に就き、2023年にグループ会社で国内プレカット木材最大手のポラテック株式会社監査役を兼任し今に至るというのが私のキャリアです。

Q2:今の人事としての役割・ミッションは?

基本的には「人と組織」を強くしていく、事業や企業の成長の「伸びしろ」をつくっていくのが私の役割です。会社としては、ようやく商品・事業・サービスから人・組織にも力を入れられるようになってきました。住宅業界というマーケットが縮小傾向にある中、今後を見据えて競合に勝っていかなければなりません。当社では、「地域文化、暮らし文化を創造する」というパーパスを掲げていますが、これまでと同じやり方、ビジネスでは通用しないと思っています。自らのアイデアと発想で、新しい暮らしの価値を創りあげていく「クリエイティブワーカー」を育てていかなければなりません。そこが今の人事としての大きなミッションだと考えています。

Q3:今抱えている主な人事課題は?

先ほど述べた役割・ミッションを実現していくためには、「プロフェッショナル人材」の育成は急務だと考えています。現実問題、メンバーシップ型の人事制度でこれまでやってきたので、それなりの改革が必要です。「クリエイティブワーカー」の育成に向けては、キャリアを自分たちで作っていこうという「キャリア自律」の仕掛けも課題だと認識しています。

そのような自営型、自律分散型の組織にしていくうえで、個々のキャリアに対する“Will”も育てていかないといけません。そのため、上意下達ではなく、社員一人ひとりの“Will”を自発的に発信していけるような「下意上達」のカルチャーを作っていこうとしています。

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