毎年、日経HRと日本経済新聞社は、上場企業と有力非上場企業の約5000社の人事担当者を対象に「企業の人事担当者から見た大学イメージ」調査を実施しています。調査では、「行動力」「対人力」「知力・学力」「独創性」の側面と、「授業改善への取り組み」「グローバル教育への取り組み」「優れた研究への取り組み」「就職支援への取り組み」「留学生への取り組み」「地域活性化への取り組み」など、大学の取り組み姿勢を評価ポイントとして集計されます。
上位サイトの順位は不動
さて、今回は、HR総研が「楽天みん就」と共同で実施した「2024年卒学生の就職活動動向調査」(2023年6月1~12日)の結果を紹介します。まずは、就職サイトの活用状況について見ていきます。2022年6月から2023年2月までの就活前半と、就活ルール上で採用広報解禁となった2023年3月以降の就活後半で、それぞれ活用した就職サイトを複数選択で回答いただき、さらにその中から1年間を通じて最も活用した就職サイトを一つだけ回答していただきました。参考として、図表はすべて2023年卒調査の結果と組み合わせて掲載しています。
就活前半(2月以前)の就職サイトの活用状況では、文系・理系ともに上位5サイトまでが2023年卒と全く同じで、1位が「マイナビ」、2位が「リクナビ」、3位が「楽天みん就」、4位が「ONE CAREER」、5位が「就活会議」という結果になりました[図表1]。これらの5サイトはすべて50%以上の利用率を記録しており、6位以下は50%未満です。利用率の変化を見ると、理系の「楽天みん就」が2023年卒70%から2024年卒65%へ5ポイント減少しているのが目立ちますが、それ以外に大きな変化は見られません。ただし、5位の「就活会議」は、文系で2023年卒50%→2024年卒53%、理系で2023年卒50%→2024年卒52%と、両方で利用率が上昇していることが注目されます。
6位以下では、「OpenWork」が文系で2023年卒40%→2024年卒45%、理系で2023年卒40%→2024年卒46%と、5位の「就活会議」よりも2023年卒から大幅に利用率を伸ばしています。一方で、「unistyle」は文系で2023年卒27%→2024年卒23%、理系で2023年卒28%→2024年卒20%と、両方で利用率が大きく減少していることが分かります。また、理系では、理系特化型の逆求人サイトである「LabBase」が2023年卒18%→2024年卒23%へと5ポイントの利用率増加となっています。
従来型の就職ナビでは、3月1日以降、2024年卒採用向けの採用情報を公開し、プレエントリーの受付も開始されます。また、専用のマイページを持たない企業の場合、プレエントリーをした企業からの会社説明会や選考連絡なども、就職ナビ内のメールボックスに届くことが多いでしょう。したがって、就活後半でも就職ナビの活用価値は十分にあるはずです。それにもかかわらず、多くの就職ナビがここまで利用率を下げていることから、それだけ採用活動の早期化が進行していることが伺えます。