ProFuture代表の寺澤です。
HR総研では、今年も就活会議株式会社が運営する就活生向けクチコミサイト「就活会議」と共催で、2024年卒採用を実施した企業の新卒採用担当者と2024年卒の就活生を対象として、これまでの活動を振り返って、それぞれの目線からの印象深いエピソードをテーマにした「2024年卒 採用川柳・短歌」と「2024年卒 就活川柳・短歌」を6~7月に募集しました。今回は、その入選作品をいくつか紹介します。
第149回 「2024年卒 採用川柳・短歌/就活川柳・短歌」入選作品に見る、“対面面接への戸惑い”や“ChatGPTの台頭”
2020年の年初から長らく悩まされてきた新型コロナ感染症も、今年5月には5類に移行し、新卒採用においてもオンライン化への動きが緩み、かつてのように対面でのインターンシップや会社説明会、面接が復活してきました。今年の応募作品は、就活生・採用担当者ともに、ここ数年見られた「オンライン面接」を題材にした作品は減少傾向にあり、代わって復活してきた「対面面接」への戸惑いや、コロナ禍に関係なく、就活・採用にまつわる不変のテーマを扱った作品、さらには何かと話題となっている生成AI「ChatGPT」やZ世代の流行語「蛙化(かえるか)現象」を題材にした作品が複数入選する結果となりました。ぜひご一読ください。

蛙化、AIに翻弄される人事の苦悩

まずは、採用担当者による「2024年卒 採用川柳・短歌」の入選作品から紹介します。【最優秀賞】からです。

内定を 出すまで受ける ラブコール 出した途端に 蛙化現象 (愛知県 ひつまぶしでひまつぶしさん)


「蛙化現象」とは、Z世代が選ぶ「2023年上半期トレンドランキング」(Z総研)で1位となった流行語で、片思いから両思いになると熱が冷め、相手のことが突然嫌いになってしまう現象を指します。醜いカエルが王子になるグリム童話「カエルの王様」が由来(物語の逆パターン)だといわれています。Z世代だけでなく、採用担当者にも浸透しているワードのようですね。

学生から「第一志望です! ぜひ御社に入社したいです!」との熱烈なラブコールを受けていたにもかかわらず、内定を出した途端に急に冷められてしまい、挙げ句の果てには内定も辞退されてしまった作者の悲痛な叫びと行き場のない嘆きが伝わってきます。「就職は恋愛のようなものだ。出会いは縁であり、相性が大切だ」などとよくいわれますが、「蛙化現象」まで恋愛と同じとは。作者に同情するとともに、内定を出しても翻意することのない、本当に熱意ある学生との出会いが数多くありますことを願っています。

なお、この作者は前回も最優秀賞を受賞しており、2人目の2連覇達成者となっています。次回作にも大いに期待したいと思います。

続いて【優秀賞】です。本来は2作品を予定していましたが、該当作品が少なく、残念ながら今回は1作品だけとなっています。

ESを 書くのもAI  読むのもAI (大阪府 いともんさん)


世界中で賛否両論の意見が飛び交っている生成AI「ChatGPT」。数年前より、学生が提出したエントリーシートを採用担当者が1枚ずつすべて読んで合否判定するのではなく、過去のエントリーシートの合否判定データを学習させたAIに、今年提出されたエントリーシートをいったんすべて読み込ませ、合否判定案を出力してくれるサービスが広まっています。大企業など提出されるエントリーシートの多い企業を中心に、このサービスを活用する企業は年々増えているようです。「合否判定案」としているのは、あくまでも最終判定は、AIの出力結果を基にその企業の採用担当者、つまり「人」が行うというフローになっているためです。

一方、学生向けには、企業ごとに、過去の書類選考に合格したエントリーシートをまるごと公開している就職サイトも数年前より現れています。が、今回はさらにその先を行くものです。学生が一生懸命に作成したエントリーシートをAIが読んで判定をするのであれば、それに対抗すべく、エントリーシートを作成するのも(書くのも)AI(ChatGPT)でという、まるで未来のSFの世界のような話ですが、就職活動ではすでに現実に行われている話です。AIがますます就職活動に関与する中で、採用担当者の役割が問われる時代が訪れています。ちなみに、過去の合格エントリーシートを公開している就職サイトは、今年からエントリーシートをChatGPTで作成するサービスも展開し始めています。

対面面接のやり方は?

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