株式会社ワンキャリアは2024年1月30日、「25卒の就職活動に関するアンケート」の結果を発表した。調査期間は2023年10月で、2025年卒業予定の大学生(以下、25卒生)289名から回答を得ている。本調査から、25卒生のインターンシップ参加状況や、インターンシップに対して望むことなどが明らかとなった。
【サマーインターン】25卒生の参加平均は何社? 3割以上が「6社以上」のインターンに参加、“対面×複数日”が人気か

約半数の学生が「1~5社」のインターンシップに参加。24卒生と比べ参加社数は減少

就職活動が早期化し、学校の夏休み期間を活かしてインターンシップに参加する学生が増えている。サマーインターンに参加した25卒生は、どのような感想を抱いているのだろうか。

はじめにワンキャリアは、「何社のサマーインターンに参加したか」を尋ねた。すると、「1~5社」が51.9%で半数を占めた。以下、「6~10社」(25.3%)、「11~15社」(9%)と続いた。

同社が2024年に行った同様の調査(※)と比較すると、6割以上の学生が「6社以上」と意欲的だった24卒生に比べ、25卒生は選考優遇のある企業や関心度が高い企業・業界に絞り、量より質を重視してインターンシップに参加している様子がうかがえた。これを受けて同社は、「コロナ禍が落ち着いたことにより、夏休みの可処分時間の選択肢が就職活動以外にも豊富にあったことも影響しているのではないか」と推察している。

何社のサマーインターンに参加したか

インターンシップ“実施形式”の満足度は「対面×複数日開催」が最も高く

続いて同社が、「各インターンシップの実施形式の満足度」(オンライン開催と対面開催について1day/2~3daysそれぞれの満足度)を質問したところ、「対面開催×2~3days」は「とても満足」が64.1%となり、「オンライン開催×1day」(32.7%)とは乖離があった。多くの学生にとって参加のハードルが低いオンライン開催は、企業の認知獲得に寄与するものの、学生から高い満足度を得るためには対面形式かつ複数日開催のインターンシップが効果的であることがわかった。
各インターンシップの実施形式の満足度

約3割が「社員と関わる機会が多い」対面形式のインターンシップを評価

次に同社が、「参加した中で最も良かった対面インターンシップの内容と特徴」を聞いたところ、「社員と関わる機会が多い」(27.3%)が最も多かった。次いで、「実際の事業課題に関するワークを行う」(15.9%)が続き、実際の現場社員や事業課題といった、入社後に触れるであろう人・事業の「臨場感」を感じられるプログラムが重要であることが見て取れる。

また、「社員と関わる機会が多い」とした学生からは、「実際に働く方と会話することにより職場の雰囲気を感じ取ることができる」、「働く方とのつながりを持つことができ、業界や業務について説明会では聞けないくらいのざっくばらんな話ができた」といった声が聞かれたという。
参加した中で最も良かった対面インターンシップの内容と特徴

「業界・企業に関する講義」などリサーチ可能な内容はインターンシップに不人気

最後に同社は、「参加する必要がないと感じたインターンシップの内容・特徴」を、オンラインと対面形式のそれぞれについて聞いた。その結果、オンラインと対面形式ともに「業界や企業などに関する講義」が最多(オンライン:16.3%、対面:10.4%)だった。業界や企業に関する一般的な知識や情報はインターンシップ参加前にリサーチが可能であるため、インターシップの場では「ここでしか学べないこと」を求めていると推察される。

さらに同社が、「選考の各フェーズ(企業説明会・合同企業説明会・面接)において、オンライン形式と対面形式ではどちらの方が参加してよかったと思ったか」と質問したところ、全てにおいて「オンライン」を希望する声が最も多かったという。

インターンシップに参加するなど志望度の高い企業においては、対面形式で理解を深めたいニーズがある一方で、説明会や面接においては「オンライン」を必要としている学生が多かったようだ。同社は、「コロナ禍に学生生活を送ってきた25年卒生は時間の使い方が過去の学年と比べ多様化しており、対面とオンラインをうまく活用しながら効率的に就職活動を進めたいという考えを持っている」との見解を示している。
選考の各フェーズにおいて、オンライン形式と対面形式ではどちらの方が参加してよかったと思ったか
本調査結果から、25卒生の半数が「1~5社」のインターンシップに参加している一方で、24卒生と比較すると参加社数が減少しているとわかった。また、対面式のインターンシップに対する評価が高く、インターンシップには事前リサーチ不可の、「ここでしか学べないこと」を求めている様子もうかがえた。25卒生は、“量より質”を重視してインターンシップに参加している傾向のようだ。今回の調査結果を参考に、自社でもインターンシップの開催形式や内容について検討してみてはいかがだろうか。

この記事にリアクションをお願いします!