株式会社リクルートの就職みらい研究所は2024年11月14日に、「2026年卒 インターンシップ・就職活動準備に関する調査」の結果を発表した。調査は2024年9月24日~10月7日に実施され、2026年3月卒業予定の大学生887人、大学院生287人から回答を得ている。本記事では、インターンシップの最新動向を学生の声をもとに解説する。
【26卒採用】インターンシップ最新動向―早期選考への“期待”と“不安”が浮き彫りに。インターン参加率「78.8%」の実態とは

インターンシップ参加率は78.8%、平均参加社数は5.75社

2022年6月から学生へのキャリア形成支援に係る取り組みが4類型化(オープン・カンパニー:タイプ1、キャリア教育:タイプ2、インターンシップ:タイプ3・タイプ4)された。これを受け、企業においても採用活動方針の変化を迫られている中、学生側はどのような意識でインターンシップに参加しているのだろうか。

まず就職みらい研究所が、2024年9月時点のインターンシップ等のキャリア形成支援プログラムへの参加状況を尋ねた結果、何らかの方法で「参加した」と答えた学生は78.8%となった。なお、前年の2025年卒の85.2%と比較すると、やや減少している。
インターンシップ等のキャリア形成支援プログラムへの参加割合
また、平均参加社数は「5.75社」となり、こちらも前年の2025年卒の「5.94社」を下回った。
インターンシップ等のキャリア形成支援プログラムへの応募・参加状況

1日以下の短期プログラムが82.1%を占める

次に、同社が「参加したプログラムの期間」について尋ねた結果を見ると、「半日」が51.8%、「1日」が30.4%となっており、“1日以下の短期プログラム”が全体の82.2%を占めた。2025年卒の85.1%より低くなっていることから、今年は前年よりも長期のインターンシッププログラムが僅かながら増えているようだ。
参加社数全体におけるプログラム期間の割合
なお、“2日以上のプログラムに参加しなかった理由”としては、「学業の都合で予定が合わなかった」(46.1%)が最も多かった。また、次いで「2日以上のプログラムの選考に通過しなかった」(26.8%)が多く挙げられており、2025年卒と比べると10ポイント以上高くなっている。
2日以上のプログラムに参加しなかった理由

長期プログラムほど満足度と学びが高い傾向に

次に「プログラムの満足度」について尋ねた結果を見ると、インターンシップの期間が長いほど「満足している」と回答する人の割合が高くなる傾向が見られた。特に、5日以上のプログラムでは62.4%が「満足している」と回答している。また、「自分のスキルを見極めることができた」と回答した割合も、1日以下のプログラム(13.6%)に比べて5日以上のプログラム(37.9%)の方が20ポイント以上高かった。
インターンシップ等のキャリア形成支援プログラム期間別満足度

早期選考への期待と不安が浮き彫りに

学生からは、インターンシップに対する期待として「早期選考や、選考一部免除など有利に働くこと」(大学生・文系女性)という声が挙がったという。一方で、「インターンシップにおける評価が採用にどれほどつながるか」(大学生・文系男性)といった不安の声も寄せられているとのことだ。近年、インターンシップ参加後に企業から早期選考の案内が行われるケースが増えており、選考に直結する機会を求めて参加する学生も増加している傾向が見られる。
2026年卒の就活生は、インターンシップへの参加に積極的な姿勢を見せている一方で、早期選考への期待と不安を抱えていることが浮き彫りになった。企業側には、学生の学業との両立に配慮しつつ、より実践的な業務体験の機会を提供することが求められる。また、インターンシップの評価と採用プロセスの関係性について、明確な方針を示すことで学生の不安解消につながるだろう。長期的な視点で優秀な人材を確保するためには、学生の成長を支援する姿勢が重要となりそうだ。

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