株式会社ワンキャリアは2024年11月19日、2026年卒の大学生(以下、26卒生)を対象に実施した「就職活動」に関するアンケートの結果を発表した。調査期間は2024年10月14日~17日で、26卒生418人から回答を得ている。調査結果から、26卒生における志望企業の決定状況や、決定にあたり重視するポイントなどが明らかになった。
【26卒】すでに志望業界・志望職種を「2~3つ」に絞る就活生が約7割。“志望企業”の決定は冬インターン後や早期選考中などか

志望業界・業種とも“2~3つに絞っている”が最多

冬インターンの時期に差し掛かり、早期化が進む就活市場においては26卒採用活動が活況となる頃だろう。去る10月時点において、26卒生の志望企業決定や、それにおける重視ポイントなど、26卒就活のリアルはどのようになっているのだろうか。

はじめにワンキャリアは、調査を実施した2024年10月時点での「志望業界・職種の選定状況」について尋ねた。その結果、「志望業界を2~3つの業界に絞っている」が68.4%、「志望職種を2~3つの業界に絞っている」が66%となり、業種・職種とも“2~3つに絞っている”との回答がそれぞれ最多となった。しかし、この結果に対して同社は、就活生が同時期以降にも志望業界や職種を広げる可能性に触れた上で、「働く場として志望する業界・職種が固まりだすのは、早期選考時期である大学3年1月くらいからと考えられる」との見解を示している。
志望業界・職種の選定状況

志望企業決定のタイミングは「冬インターン後」や「選考中」など

次に同社は、調査時点での「志望企業選びの状況」に関して、“具体的な選定状況”と“決める予定時期”をそれぞれ尋ねている。選定状況についての回答結果では、「まだ決められていない」が32.8%で最多となったほか、決めている人では「5~7社の企業に絞っている」が23%、「2~4社の企業に絞っている」が19.6%となった。また、予定時期として回答割合が高かったのは、「本選考を受ける中で徐々に」(17%)、「冬インターンシップ参加後に決める」(16.7%)、「早期選考を受ける中で徐々に」(16%)などとなり、選考やインターンシップなど段階を経ていきながら決めていきたい意向がうかがえた。
志望企業選びの状況

26卒生が重視するポイントは「ワークライフバランス」や「社内の雰囲気」

続いて、「志望企業を決める上で最も重視するもの/重視したいもの」について尋ねたところ、「ワークライフバランスが確保できる」が14.1%で最多となり、次いで「企業内の雰囲気がよい」が12%となった。なお、今年5~6月に実施した同調査の結果と比較すると、「ワークライフバランスが確保できる」が約2ポイント減少した一方で、「企業内の雰囲気がよい」は反対に約2ポイント増加していた。なお、この結果となった理由について同社は、インターンシップやイベントなどを通じて、学生が働く場をより意識するようになった点を挙げている。
志望企業を決める上で最も重視するもの/重視したいもの

口コミサイトや会社説明会での情報収集が多数に

さらに同社は、「ワークライフバランスが確保できるかを判断するために、どのように情報を調べている/調べたいか」と尋ねている。すると、「クチコミサイトでの社員や元社員の投稿で実際の働き方に関する情報を調べる」および「インターンシップや会社説明会で人事や現場社員に質問して情報を得る」が、ともに26.5%で同率トップとなった。26卒生は、オンラインとオフラインをそれぞれ活用した上で、情報を収集したい意向のようだ。
ワークライフバランスが確保できるかを判断するために、どのように情報を調べている/調べたいか

就活における「生成AI活用率」は半数超。ES/志望理由の下書き・添削が最多に

最後に、「就職活動においてChatGPT等の生成AIツールを活用したことがあるか」について尋ねた結果、「活用したことがある」との回答は54.5%と過半数になった。なお、25卒生を対象に実施した調査の結果(27.8%)と比較すると、同回答率はおよそ2倍になっているといい、同社は「今後も就活での生成AIの活用は活発になる」との予測を示している。

また、あわせて「どのような場面でChatGPT等の生成AIツールを使用しているか」と質問した結果では、「ES作成/志望理由の下書き・添削」が59.6%で最多となり、次いで「自己分析/自己PRの下書き作成・添削」が23.7%で続いた。
就職活動においてChatGPT等の生成AIツールを活用したことがあるか
本調査結果のリリースに際してワンキャリアは、働く場として志望する業界・職種・企業が固まりだすのは、早期選考時期である大学3年1月くらいからであるとした上で、「企業はこの早期選考の時期までに学生との接点をつくることができない場合、母集団形成の観点で機会損失につながってしまう」との懸念を示している。十分な母集団形成に向け、冬インターンシップをはじめとした学生との接触の場を増やしていくことが重要だろう。

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