ProFuture代表の寺澤です。
11月22日、Webテストの「替え玉」受験を理由として初めての逮捕者が出たとの報道がありました。コロナ禍のためテストセンターの利用ではなく、自宅での受験も可としていた企業も増えていた中で、「替え玉」のリスクは絶えず指摘されていたことではありました。Webテスト事業者側も、Webカメラによる監視等による「替え玉」対策はしてきていましたが、それにも限界はあります。今回「替え玉」を依頼していた女子学生のように、外部の代行者と自分のPCと画面共有をし、髪の毛で隠したイヤホンで回答を受けるなどという離れ業をされてしまったら、もうオンライン監視では不可能だといってよいでしょう。ただ、今回の一件は、代行する側にも、代行を依頼する学生側にも一定の歯止め効果をもたらすものだと思われます。
第141回 「インターンシップ」や「採用ホームページ」の印象が良い企業とその特徴とは
今回の事件を受けて、就活生にされたインタビューの受け答えを聞いたり、記事で読んだりしましたが、入社試験の「替え玉」を依頼する行為にあまり罪の意識を感じていないことに驚きました。今ではもう過去の遺物となっている、私たちの学生時代によくあった、授業に欠席する学生が友人に出欠確認の「代返」を依頼するくらいの軽い気持ちで行われているようです。Webテストもエントリーシートも面接と同じ、入社に向けた「選考」であり、入社後も見据えたマッチングの一つであることをもっと認識してもらいたいと思います。

インターンシップは今回もニトリが高評価

今回からは、HR総研が「楽天みん就」と共同で本年6月に実施した「2023年卒学生就活動向調査」の結果を基に、統計データではなく、就活生の本音の声を中心に紹介していきます。

今回は、テーマごとに「学生の印象の良かった企業」とその理由についてのコメントを取り上げます。なお、本調査は1人1社しか投票できない形で実施していますので、「印象の良かった企業」はすなわち「最も印象の良かった企業」を回答しているに他なりません。1票の持つ意味は重いといえます。

まずは、「インターンシップ」から見ていきましょう。好感度の高かった企業の上位10位までをランキング形式でまとめたものが[図表1]です。今回はこれまでとは異なる顔ぶれの企業もあります。
[図表1]印象の良いインターンシップTOP10
1位は「ニトリホールディングス」(42票)で、2位には10票以上の差をつけ、今回も断トツのトップです。同社は、インターンシップの種類や受け入れ人数の多さでも有名です。就活支援のプログラムのほか、フィードバックも評価のポイントとなっています。

・業務体験の意味合いが強く、最も実際に働くことをイメージできた(理系・上位私立大)
・早期選考のインターンから、誰でも参加ができるものまで多岐にわたっていた(文系・その他国公立大)
・就活時期のかなり初期の段階で参加しましたが、フィードバックなども細かく、グループディスカッションのレベルを引き上げてくれるようなインターンでした(文系・上位私立大)
・自己分析や企業分析を進めることができ、自分の方向性を定めることができた(理系・その他国公立大)
・社員の方から個別にフィードバックをいただくことができたから。プログラム内容は、実際の業務を体験できるようなグループワークだった(文系・上位国公立大)
・班ごとに担当リクルーターがつき、3日間を通して発表内容や就職活動に関するアドバイスをくださったこと(文系・旧帝大クラス)

2位は「アイリスオーヤマ」(30票)。前回まではランク圏外でしたが、今回は堂々の2位です。ニトリホールディングスと同様に、多様なプログラムが評価されています。近年の事業の多角化とユニークな商品企画が奏功し、企業そのものが学生からも大きく注目を集めるようになってきています。

・会社の創業時からの歴史を学びながらグループワークができ、楽しかった(文系・上位国公立大)
・違う内容で何度も参加することができ、多面的に見ることができた(文系・その他私立大)
・若手社員の方が元気よく仕切ってくれたため。またインターン特別ルートが多数存在していたため(文系・上位私立大)
・チームの考えを人事担当者がとても尊重してくださり、チームでアイデアを出し合う楽しさを感じられた(文系・早慶大クラス)
・交通費宿泊費負担だったから(理系・その他国公立大)

3位は楽天グループ(22票)。職種別のインターンシップが評価されています。また、コメント量の多い回答が目立ったのも同社の特徴です。

・マーケティングに関してコアな部分まで触れられるインターンシップだった。ジョブに特化したコンテンツだったので、「マーケターとして生きる」ことについての考えを深めることができた(文系・早慶大クラス)
・広告のインターンシップに参加した。楽天の持つサービスを組み合わせてクライアントの課題を解決するグループワーク形式のインターンシップだった。実際の業務に近い体験ができ、楽天の魅力であるエコシステムの強さを感じられた。また、社員の方からしっかりとフィードバックをいただけてためになった上、社員の方一人ひとりがとても優秀だと感じた(理系・旧帝大クラス)
・地域課題解決型インターンシップで、ビジネスをつくる難しさを体験できたから。その地域の方々へのヒアリングからチームでの分析、提案まで一貫して経験することができた。また、人事の方からフィードバックを得られたことも自分の課題を見つける上で非常に参考になった(文系・旧帝大クラス)
・トラベル部門でエンジニアの方たちと働くことができた。楽天グループで働くイメージを実際に経験して得られた(理系・中堅私立大)

4位は「りそなグループ」(17票)。人事の対応や社員の人柄を評価する声が多くなっています。

・人事の人の対応が良かった。人事の人がお客さま役となって、お悩みを聞いてそれの解決策を提案するというものだった(文系・中堅私立大)
・社員の人がとてもいい人だと思ったし、銀行業務について、しんどい面も理解することができた(文系・上位私立大)
・自分自身を成長させることができたから。先輩社員との密接な関わりがあった(文系・中堅私立大)
・内容が勉強になり、人事の方々が優しく企業理解と社風が感じられた(文系・上位私立大)

カゴメが前回の2位からトップへ

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