「人材版伊藤レポート」を実装するためには何が必要か
【講演】一橋大学 CFO教育研究センター長 伊藤 邦雄氏
「人材版伊藤レポート」と「人材版伊藤レポート2.0」を世に出すために、様々な方とディスカッションを重ね、「日本の未来に繋がる、とても太い道が見えてきている」と感じています。しかし、まだ不都合な現実がいろいろと横たわっているのは確かです。それでも、勇気を持ってそういった現実を直視し、未来志向で価値基軸の人的資本経営を実践すべき時が来ていると考えています。いまや企業価値は、無形資産で決定される時代です。残念ながら、日本は無形資産投資競争において世界の中では劣勢にあります。米国S&P500のデータを見ますと、アメリカの市場価値に占める無形資産の割合は年々上昇し続けております。無形資産投資率と有形資産投資率の時系列推移を見ても、アメリカでは有形固定資産投資が、時代の移り変わりに伴ってどんどん下がっています。対して、無形資産投資率は右肩上がりで、1993年前後に無形資産投資率と有形資産投資率が逆転しました。
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