
「シニア社員」を対象とした人事制度の改正。その背景・目的とは?
日本特殊陶業が運用してきた従来の制度では、シニア社員に現役世代の育成・指導を中心としたサポートの役割を期待していたという。しかし同制度下では、役割責任の低下と賃金水準の抑制により、労働意欲の低下が課題となっていたとのことだ。そこで今回、同社は制度の改正を実施した。新制度は、シニア社員の戦力化と労働意欲の維持・向上を目的としているという。
制度の主な改正点は以下のとおり。
主な改正点
・管理職相当:7段階の等級体系
・非管理職相当:5段階の等級体系
※新制度では、定年後の再雇用者の役職就任も可能となっている。
●賃金水準の変更
・現役世代と同程度の役割を担う場合、再雇用後の賃金水準も同程度に設定
・月額給与に加え、インセンティブ報酬を導入
※高齢者雇用継続給付の減額や将来的な廃止を見据えた設計としている。
●柔軟な働き方の選択
60歳定年を機に働き方を再考できる機会を提供
現時点では65歳までを再雇用の対象(65歳以降の延長は検討中)
同社は新制度によって、従業員の多様性・個性を尊重し、一人ひとりが活躍できる環境を整えることで、社業の発展につなげていくとしている。さらに、「時代や従業員のニーズに即した新たな人事制度」を今後も検討していく方針だという。
出典:https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP686610_X00C25A2000000/