今回紹介する事例では、給湯機器やビルトインコンロなどを製造・販売する株式会社ノーリツに、創業70周年を迎え新たな方針を策定した同社が、なぜ4DXを導入し、どのような成果を上げられたのか。経営企画部の高原様と足立様、人事総務部 人材開発グループの有村様、全社に先んじて4DXを導入した営業統括部の大阪支店長の堀田様に、お話を伺った。
【取材対象者】
株式会社ノーリツ
営業統括部 関西支社大阪支店 支店長 堀田様
経営企画部 高原様、足立様
人事総務部 人材開発グループ 有村様
(※以下、敬称略)
新たに策定した方針を展開し成果につなげるべく、4DXを導入
――まずは、ノーリツ様の事業内容について教えてください。高原:私たちノーリツは、兵庫県神戸市に本社を構える企業です。昨年2021年に創業70周年を迎えました。事業としては、給湯機器を中心とした温水空調分野、ガスビルトインコンロやレンジフードなどの厨房分野といった住宅設備機器の製造・販売、そしてアフターサービス事業を展開しています。70年間培ったノウハウを活かして、国内事業のみならずアメリカや中国など海外展開も積極的に行っています。
みなさん、お仕事などで疲れて自宅に帰った後、お風呂に入って幸せを感じたことがあるかと思います。ノーリツは、そんなお湯のある幸せを世界中に届けていきたいと考えている会社です。
足立:ノーリツでは、創業70周年を迎えた2021年度から2023年度までの3カ年を対象とする中期経営計画「Vプラン23」を策定しました。その基本方針3点のうちの1つに、「挑戦しつづける組織への変革」を掲げています。そのためには、「成長するチームの形成」が必要だと考え、人事評価制度の変更など様々な打ち手を講じてきました。
しかし、成果につなげていくには、何よりも「方針展開」が不可欠です。会社が掲げていることは、おそらく頭の中では全員が理解していますが、それが実行できていないというギャップがあります。ただ、この課題を解決する有効な打ち手が、当社にはありませんでした。そこで、戦略を実行しきるために有効なソリューションだと感じた4DXの導入を決めました。
有村:人事制度面でも、「挑戦しつづける組織への変革」に向けて、新たな制度をスタートさせました。もともとは能力面の評価が昇給昇格のベースになっていたものを、業務でのパフォーマンスに評価の軸足を変えたことで、挑戦の先にある成果を大切にすることがメッセージされたと考えます。今回、4DXの導入は、この新人事制度の浸透と、相乗効果も期待していました。
――フランクリン・コヴィー・ジャパン以外のサービスは検討しましたか?
足立:特に検討はしませんでした。というのも、当社はフランクリン・コヴィー・ジャパンとは10年以上のお付き合いがあり、「7つの習慣®︎」も導入しています。その中で、フランクリン・コヴィー・ジャパンのソリューションは原理原則がしっかりしていると感じていました。また、当社社長の腹巻が「実行の4つの規律」の書籍に感銘を受けたことも、導入を後押しした要因です。
コロナ禍、部品調達難の中でも、思考・行動に顕著な変容が
――4DXの導入はどのように進めましたか?高原:はじめから全社には導入せず、まずはスモールスタートで大阪支店・神奈川支店、品質保証推進本部から導入しました。そこで半年間トライアルを行い、それから現在は営業統括部全体に導入しています。さらに、今後は研究開発部門、生産部門へと広げていく予定です。
実際の導入フェーズでは、まずは上層部への「Execution Designセッション」、そしてマネージャーへのセッション、そしてメンバーにと、階層に分けてインプットをしていきました。すべて資料も整っていますし、質問にもすぐに答えていただける体制が整っているため、安心してプログラムを導入することができました。
この後、下記のトピックが続きます。
続きは、記事をダウンロードしてご覧ください。
●ノーリツが新人事制度のスタートに向けて、『4DX』に期待したこと
●コロナ禍でも売上前年比118%を実現~最重要課題を達成するための課題認識を、チームにどう浸透させたのか?
●スコア向上によって視覚化された、『4DX』の効果の大きさ
●導入担当者自身も気付きを得られた、戦略課題に取り組むうえで重要なこととは?
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