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■スポーツの現場から学ぶ「人材育成」と「マネジメント」Vol.1――京都サンガF.C. ヘッドコーチ長澤氏に聞く相手の目線に立ったコーチングとは
プロフィール
長澤 徹 氏
京都サンガF.C. ヘッドコーチ(所属、プロフィールは取材当時のもの)
清水東高校、筑波大学を経て、ヤマハ発動機サッカー部に入団。ジュビロ磐田、ジャパンフットボールリーグの本田技研を経て引退。本田技研のコーチ、FC東京でトップチームコーチ、FC東京U-15深川監督、トップチームヘッドコーチなどを歴任。ジュビロ磐田、ファジアーノ岡山のコーチを経て、2015年にファジアーノ岡山の監督に就任。その後、2019年よりFC東京に復帰し、トップチームのコーチ兼U-23監督。その後、2021年、京都サンガF.C.のヘッドコーチに就任。
西村 健 氏
株式会社ターンアラウンド研究所 代表取締役社長
アクセンチュア株式会社、株式会社日本能率協会コンサルティング(JMAC)を経て、株式会社ターンアラウンド研究所を立ち上げ、代表取締役社長を務める。

長澤氏:深く自分で意識させられたのが、元日本代表の加地亮です。彼は口数が少なく、当時は力を出し切れない青年という感じでした。気づいたのは、選手より、こちらがプロじゃないと選手は話を聞かないということです。じゃあ、プロとはなんなのか。
加地選手は練習の2時間前にはやって来て、準備をするのです。練習でのパフォーマンスを最大化させるための準備ですが、当時のなかでは珍しい選手でした。彼の能力を伸ばすには、彼以上でないといけない。コーチ陣が朝5時からランニングし、筋トレをして、飯を食って、指導者がまず準備をする。こちらの立ち振る舞いを作らないといけないということです。
例えば、経営層やマネジメント層の方々も朝のルーチンを持っていたり、いいジャッジをするために日々準備したりしていますよね。指導者も一緒です。下に1人でも部下がいれば、その時点で指導者です。それなりの立ち振る舞いをしていかないといけません。どんないいことを言っても、こちらがプロでなければ選手の耳には入らないものです。こちらも、選手以上にやっているぞということを示すのが私の哲学です。

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