4分の3近くがチャレンジ精神を評価
10項目の最後は「チャレンジ精神が旺盛である」です。多くの企業が自社への応募者や社員に「挑戦すること」を強く求めますが、一方の企業自身は内定者にどう映っているのでしょうか。「イメージを強く持っている」割合は、文系34%、理系30%と3割台にとどまるものの、「イメージをやや持っている」との合計では、文系73%、理系74%と4分の3近い学生が肯定的なイメージを持っているようです[図表15]。祖業にこだわるのではなく、新規ビジネスに進出する企業が増えているなどの事業的側面に加え、人的資本経営が関心を集める中、ジョブ型雇用の導入や、中央集権的な人事体制からラインへの人事権限の移譲を進めるなど、人事制度・組織変革の取り組みが多くの企業で進んでいることを、学生が感じ取っている証しといえるかもしれません。ただ、「4分の3」による評価が高いのか、低いのかは判断が分かれるところだと思います。“イメージを持っている”割合:文系では「社員を大切にしている」と「仕事が面白い」、理系では「社員を大切にしている」が9割超に
ここまで、学生が入社予定の会社に対して持っているイメージについて、10項目を対象に文系・理系を比較しながら見てきましたが、今度は文系・理系別に10項目についてまとめて比較してみましょう[図表16~17]。なお、ここではすべての項目で割合の低い「イメージは全くない」と「イメージはあまりない」を「イメージはない」として一つにまとめ、「イメージを強く持っている」と「イメージをやや持っている」の合計(“イメージを持っている”)を基に降順で並べました。まず、文系についてまとめた結果が[図表16]です。“イメージを持っている”割合が最も高いのは「社員を大切にしている」と「仕事が面白い」で、ともに92%と9割を超えています。次いで「働きやすい」(89%)、「風通しが良い・心理的安全性がある」(87%)が続きます。逆に同割合が最も低いのは「給与(初任給)が高い」(68%)で、10項目の中で唯一7割に届いていません。「ダイバーシティを推進している」(71%)と「チャレンジ精神が旺盛である」(73%)も7割台前半にとどまっています。これら3項目は、「イメージはない」の割合が他の項目よりも高いだけでなく、「どちらともいえない」についても2割前後と高くなっています。