
採用充足率70%は、現行のスケジュール以降過去最低
新卒採用スケジュールが大きく変更され、少子化による学生減少の影響を受けて人材獲得競争は激化の一途を辿っている。本記事では、採用活動がほぼ終了となった25卒の採用活動について、株式会社マイナビが発表した振り返りの調査結果から確認する。まず、「25年卒の採用充足率」と「内定者の対する企業の満足度」を尋ねた結果を年次推移でまとめたグラフを見ると、「25年卒の採用充足度」は70%であることが分かった。前年比では5.8ポイントのマイナスで、16年卒以降の調査結果の中で過去最低となった。
さらに「内定者の満足度」は、「質・量とも満足」が22.5%、「質は満足・量は不満」が42.9%、「質は不満・量は満足」が10.6%、「質・量とも不満」が24%という結果になった。「質・量とも不満」の前年の数値は20.6%で、質の面でも量の面でも不満を感じている企業は3.4ポイント増えたことになる。

4割以上が「前年より厳しかった」、「前年並みの厳しさ」と振り返る
次に、「25年卒の採用活動の印象(難易度)」について尋ねた結果を見ると、「前年より厳しかった」が46.5%と最多の回答を集めた。また、「前年並みに厳しかった」は44.1%となり、これらを合計すると9割もの企業が「新卒採用が難化している」と捉えていることがわかった。なお、過去からの推移を見ると、23年卒以降は難化傾向が続いていることが見て取れる。

「母集団の確保」は8割以上と多くの企業で共通の悩み
さらに、「『採用活動が厳しかった』と回答した理由」を同社が尋ねたところ、最多だったのは「母集団の確保」で81.3%に達し、3年連続で増加していることが判明した。また、2位は「採用選考への動員」で、43.8%と間を空けて続いた。
2026年卒採用の見通しと採用スケジュールについて
次に「2026年卒の採用予定数」を同社が尋ねると、「増やす」と回答した企業は15.7%で、前年の調査からは2.6ポイント減少。「今年度並み」は72.6%と、前年から2.8ポイント増加した。この結果について、同社は「採用充足率の低下を受けて、予定数を増やすのではなく現状維持を選択する企業が多くなっている」との見解を示している。
