20卒新入社員の“就職後3年以内の離職率”は大卒が32.2%、高卒が37%
新卒入社後3年目となる20卒全体の3年目時点の離職率について、厚生労働省が公表した最新データによると、新規高卒就職者は37%(前年度と比較して1.1ポイント上昇)、高卒就職者が37%(前年度比1.1ポイント上昇)、大学卒就職者は32.3%(同0.8ポイント上昇)であることが判明した。今回発表された2020年(令和2年)新入社員(20卒)の公表データを見ると、大学卒では1年目の離職率が10.6%、2年目が11.3%、3年目が10.4%とほぼ同割合で、1年で1割程度の新入社員が離職しているとわかる。次に、高校卒では1年目の離職率が15.1%、2年目が11.7%、3年目が10.2%で、こちらは1年目の離職者が他と比べてやや多いことが見て取れる。
また、過去3年間のデータを比較すると、離職率は緩やかな低下傾向にあるものの、依然として3割を超える高い水準を維持していた。
平成29年3月卒(17卒):32%
平成30年3月卒(18卒:32.8%
令和元年3月卒(19卒):32.8%
令和2年3月卒(20卒):32.3%
【高卒就職者の離職率推移】
平成29年3月卒(17卒):39.3%
平成30年3月卒(18卒):39.2%
令和元年3月卒(19卒):37.8%
令和2年3月卒(20卒):37%
※厚生労働省資料より抜粋・編集(別紙1 学歴別就職後3年以内離職率の推移)
従業員規模別の離職率の違いは?
次に、従業員数による事業所規模で比較した新卒入社後3年以内の離職率を見ると、離職率が最も低いのは「事業所規模1000名以上」で、大卒は26.1%、高卒は26.6%と全体平均より低い割合となっていた。「同500~999名」では、大卒30.7%/高卒31.8%、「同100~499名」では、大卒32.9%/高卒36.7%となるなど、企業規模が大きくなるほど離職率が低くなる事が明らかとなった。※厚生労働省資料より抜粋
大卒新入社員の離職率は「宿泊業、飲食サービス業」、「生活関連サービス業、娯楽業」、「教育、学習支援業」が上位に
さらに、同省は新卒入社後3年以内の離職率が高い産業(業種別)についてもデータを公表している。大卒で離職率が最も高いのは、「宿泊業、飲食サービス業」で51.4%。以下、2位が「生活関連サービス業、娯楽業」の48%、3位が「教育、学習支援業」の46%だった。なお、高卒の1、2位は大卒と同様に「宿泊業、飲食サービス業」(62.6%)、「生活関連サービス業、娯楽業」(57%)の順で、3位は「小売業」(48.3%)、4位は「医療、福祉」(38.8%)、「小売業」(38.5%)となった。全体を見ると、上位5つの業種は順位が異なるものの、大卒・高卒で共通しており、これらの業界では若手の人材定着に苦戦していると考えられる。
※厚生労働省資料より抜粋